第十一話 ページ3
キャラチャオン達はポコられる最中、大切なお友達を思いやる。
何度も何度もその名を呼びかけ続けるも、チャオ乱舞は続きます。
「無駄チャオ、無駄チャオ。」
そんな様子を見てほくそえむオモチャオ。
なにやら、イインチョウとイインチャウには秘密があるようです。
「やめ…るちゃ…お。イイン…。」
ポコられ続けるキャラチャオン達は、蓄積されたダメージにより、しゃべることも出来なくなってきました。
オモチャオは、チャオボールを取り出します。キャラチャオン達をゲットするために。
あとは、上昇系必殺技を繰り出せば、チャオ乱舞終了です。それと同時に、キャラチャオンゲットです。
しかし、なぜかその最後の一撃が発動しません。
「何ヤッテルチャオ、早クトドメヲ刺スチャオ!」
オモチャオの叫びに、ぶっ倒れたキャラチャオン達もお顔をあげます。
すると、どうしたことでしょう。
泣いてます。
イインチョウもイインチャウも、大粒の涙を流してます。
おっかないお顔で。
キャラチャオン達は、そんなイインチョウ達に声をかけたいのですが、今までのダメージにより、満足に声がでません。
「クッ、シッカリスルチャオ!」
オモチャオは、イインチョウ達の入ってたチャオボールを取り出します。
そこから、イインチョウ達に怪光線が放たれます。
すると、イインチョウ達の涙もとまり、お顔もさらにおっかなくなります。
そしてイインチョウ達は、チャオ乱舞の締めの上昇系必殺技を繰り出します。
ぽこっ。
ぽこっ。
ぽこっ。
ぽこっ。
ぽこっ。
「み、みんな、大丈夫…ちゃお…か?」
倒れたままのツヤツヤソニックチャオがみんなに話しかけます。
「く、く…。」
「ちゃお~。」
しかしエミーチャオもナックルズチャオも、声になりません。
「だ、大丈…夫じゃ、ない…みたいちゃお。」
なんとか立ち上がろうとするツヤツヤシャドーチャオですが、あと一歩のところでまたぶったおれます。
そんな中、一匹のチャオがすっくと立ち上がりました。
なんとテイルスチャオです。そして力強く言います。
「もう一度、みんなのチカラを一つにするちゃお!」
その言葉にみんなは、驚きます。
前回、ジュエルカオス達を相手にした時のように、攻撃しようと言うのでしょうか?
それも、本来はお友達であるイインチョウとイインチャウに。
「そ、そんなこと、出来ないちゃお。」
お友達を攻撃するなんて。
みんなはテイルスチャオの発言に驚きます。
しかしテイルスチャオは言い放つ。
「あの時の言葉を、思い出すちゃお!。」
あの時の言葉。
そう、キャラチャオン達のガーデンが湖の底に沈んだ時、イインチョウ達が言った言葉。
「あなたたち五人がチカラを合わせれば、どんな困難も、きっとのりこえられるちゃお。」
「ボク達は、そう信じてるちゃお。」
「そして、そんなすんばらしいお友達のことを、信じてるちゃお。」
「信じあうのが、チャオちゃお!!」
イインチョウ達の言葉を思い出し、テイルスチャオ以外の四匹も、意を決し、すっくと立ち上がります。
「みんなのチカラを一つにするちゃお!」
「キャラチャオン絶対究極奥義!!」
「ギャラクティカテリオス!!!!!」
キャラチャオン絶対究極奥義を前にオモチャオは、二匹のカオスチャオに指示を出す。
「聖魔合身奥義、制極界チャオ。」
制極界。
それは、武術を極めた達人のみに可能とされる、攻防一体の結界です。
その結界内で攻撃を繰り出した者は、己自身にその威力が跳ね返ると言われてます。
そう、キャラチャオン達は、その制極界の中で攻撃を繰り出したのです。
ぽこっ。
ぽこっ。
ぽこっ。
ぽこっ。
ぽこっ。
跳ね飛ばされるキャラチャオン達。
「くっ。も、もう一度いくちゃお!」
そう叫ぶテイルスチャオですが、あまりのダメージに立ち上がることが出来ません。
「こ、ここはいったん引くちゃお。」
倒れながらも冷静に、ツヤツヤシャドーチャオが提案します。
テチャ「お、お友達を見捨てるちゃおか?」
ナチャ「こ、このままじゃあ、みんなゲットされちゃうちゃお…。」
テチャ「で、でも…。」
ツヤソ「あの、チャオボールちゃお。」
他四匹「ちゃお?」
ツヤソ「あのチャオボールにイインチョウ達は操られてるちゃお。」
エチャ「わ、わかたちゃお。あのチャオボールを奪うちゃおね。」
ツヤソ「ああ。だからいったん引いて、体勢を整えるちゃお。」
テチャ「で、でも…。いったんとは言え、イインチョウ達を見捨てるちゃおか?」
ツヤソ「テイルスチャオ、分かれちゃお!」
ツヤシャ「テイルスチャオ、これしか、これしかないんちゃお!」
テチャ「ぐすっ…。ぐすっ…。」
ナチャ「テイルスチャオ!」
テチャ「ぐすっ…。ぐすっ…。」
キャラチャオン達がもめてる間にも、オモチャオに操られたカオスチャオ達はのっしのっしと近づいてきます。
エチャ「テイルスチャオ、みんなもつらいんちゃお!」
テチャ「ぐすっ…。ぐすっ…。」こっくり。
ツヤソ「じゃ、じゃあ