第十話 ページ2
チャクラバが左手を前に突き出すと、ツヤツヤシャドーチャオの突進も止められる。
「ちゃおちゃん憲法第三条が言ってるのは、チャオ以外の生命体に対してです。チャオ同士でしゃべるなら…。」
「ちゃおちゃお言わなくてもいいんだよ!!」ポコっ。
なんと、突進を止められて前かがみなツヤツヤシャドーチャオの下にチャノキが潜り込み、蛙飛びアッパーをぶちかます。
そして吹き飛んだツヤツヤシャドーチャオは、後ろに居たツヤツヤソニックチャオに命中。
チャクラバとチャノキの前に、なす術も無く倒れていくキャラチャオン達。
無理も無い。
チャクラバとチャノキの動きは、チャオ道にもとづくものではありません。
キャラチャオン達には、反応出来ないのです。
「ち、ちくそちゃお~、こいつら、つおいちゃお。」
さっきマスチャッツに初めて勝って喜んでいたツヤツヤソニックチャオ。
ですが、それより強いチャオがいたのです。
「い、いや。ボク達は、負けちゃいけないちゃお。」
ふらふら立ち上がるツヤツヤシャドーチャオは、倒れたままのツヤツヤソニックチャオに手を差し伸べる。
「そうちゃお。オレ達のチャオガーデンと一緒に湖に沈んだ、あいつらのためにもちゃお。」
ナックルズチャオも、ふらふらとツヤツヤソニックチャオに近づいてきます。
「みんな、思い出すちゃお。イインチョウ達の言葉を。」
エミーチャオの言葉に、みんなはあの言葉を思い出します。
住み慣れたチャオガーデンを旅立つキャラチャオン達を、勇気付けたあの言葉。
『あなた達五人がチカラを合わせれば、どんな困難もきっと、乗り越えられる…。』
「み、皆まで言うなちゃお。」
ツヤツヤソニックチャオはツヤツヤシャドーチャオの手を取り、立ち上がります。
「さあ、みんなのチカラを合わせるちゃお!」
「ちゃお!」
ポコっ。
ポコっ。
ポコっ。
ポコっ。
でも、駄目でした。
「くっ。やっぱ、あいつもいないと駄目ちゃおか?」
倒れながらもツヤツヤソニックチャオは、テイルスチャオに目を向ける。
うつぶせに倒れたままのテイルスチャオ。
まだ頭の上のチャオのアレは、渦巻きのままです。
しかし、突然渦巻きは球状に戻ります。
そしてテイルスチャオはお目目をつむったまんま、すっくと立ち上がります。
ツヤソ「て、テイルスチャオ!!」
エチャ「やたちゃお、テイルスチャオ元に戻ったちゃお!」
ナクチャ「テイルスチャオもみんなと一緒に、チカラを合わせるちゃお!」
ツヤシャ「さあ、早くちゃお!!」
テチャ「ちゃお?」
起き上がったテイルスチャオは、みんなの雰囲気に驚きます。
いわば闘うことに目覚めた四匹のチャオ。それはもう、テイルスチャオの知るチャオではありません。
「なにしてるちゃお」
「おまえもちからをあわせるちゃお。」
「はやくするちゃお!」
テイルスチャオにはなぜか、お友達のお顔がおぞましく見えます。
「ぷるぷる。みんな、なんか怖いちゃお…。」
「て、テイルスチャオ!」
「みんなのチカラを、あわせるちゃお!」
テイルスチャオはふと、おぞましくみえるお友達よりも、もっと禍々しい存在に気が付きます。
その禍々しい存在は、今にもお友達に襲い掛かろうとしています!
テイルスチャオは、意を決します。
「みんなのチカラを一つにするちゃお!」
「キャラチャオン絶対究極奥義!!」
「ローリングサンダーハリケーンボルト!!!!!」
つづく。