第七話

レアチャオ。
それは、ゲムキューユーザーのみに許された、神秘のチャオどものことである！
レアチャオ戦隊キャラチャオン！


セガには聞こえないのか？
レアチャオ求める悲痛な叫び声が。
ドリキャスユーザーも欲しいのさ。
ムーンチャオ以降何も無い。
インターナショナル版、ネットにつなげても
アメジストチャオは未だに取引不能。
ぎらり輝けキャラチャオン。
羨望のまなざし。激レアな、ミニキャラさ。見せ付けろ～。
ぎらり輝けキャラチャオン。
一度見りゃ十分。
ぷにぷに爆発ちゃお～。
ぽよぽよ炸裂ちゃお～。
レアチャオ戦隊キャラチャオン。
（ふう…）

これまでの概要
ツヤツヤシャドーチャオの髪型が、毎日微妙に違うことに気が付いたテイルスチャオ。
これを本人に伝えるのか。はたまた、お友達に言いふらすのか。
思い悩むテイルスチャオであった。



登場人物
キャラチャオン…
勇気あるチャオのみに許された、栄誉あるチャオの称号。
ツヤツヤソニックチャオ、ツヤツヤシャドーチャオ、
ナックルズチャオ、エミーチャオ、
そして、テイルスチャオの五人を言う。



舞台背景…
湖に沈んだチャオガーデンをあとにしたキャラチャオン。
彼等は、チャオガーデンでは知り得なかった、日の昇り沈み、移ろいゆく四季というものを知る。
朝を向かえ、もうそろそろ通勤・通学時間を向かえようとしていた。



第七章
異変の予感。

「ぐが～、ぐが～。」
おおいびきをかいてお寝んね中のテイルスチャオ。
みんなは、早くこいつ起きないかとイライラしてきます。
「ち、早く起きるちゃお。」
寝ているテイルスチャオに近付くツヤツヤシャドーチャオ。

「むひひ、ツヤツヤシャドーチャオって、ズラちゃおって。」
「なに？」
テイルスチャオの寝言に、みんな驚きます。
「今言った事、よく聞こえなかったちゃお。」
みんなはにやにやしながら、寝ているテイルスチャオの側に駆け寄ります。
「あ～、あれはなにちゃお？」
突然、ツヤツヤシャドーチャオはあさっての方向を指差します。
どごっ。
みんながその方向を思わず見てしまうと、なにやらけったいな音がします。みんな振り返ります。

「あいたたた…。」
おっ起したテイルスチャオが、座ったまま腰の辺りをたたいています。どうやら、爽やかな目覚めじゃなかったようです。
ツヤツヤソニックチャオとナックルズチャオとエミーチャオは、何事かときょとんとしてますが、テイルスチャオの寝言が気になってたんで、とりあえず聞いてみます。
「ねえねえ、さっきの寝言だけどさ、…。」
「うおっほん。」
テイルスチャオの後ろに突っ立っているツヤツヤシャドーチャオが咳払いします。
「さ、さあ、テイルスチャオもおっ起したちゃお。チャオの森にいそぐちゃお。」
そう言うツヤツヤシャドーチャオの声は、どこか白々しかった。
「でも…、びくっ。」
何か言おうとするテイルスチャオを、ツヤツヤシャドーチャオがぎろりとにらみます。
なぜか震えるテイルスチャオの横で、エミーチャオがへたれこみます。
「なんかアタチ、お腹ぺこぺこちゃお。」
「そういえばボク達…。」
みんなは、あることに気が付きます。

この連載が始まって以来、ご飯を食べてないのです。

「お腹すいたちゃお…、くすん。」
泣き虫な気もあるテイルスチャオは、今にもベソをかきそうです。
「そうちゃお、チャオの森に行くのもいいちゃおけど、食糧問題もなんとかしなくっちゃいけないちゃお。う～ん、どするちゃお？」
早速頭の上にハテナマークを浮べ、キャラチャオン達は考え込みます。
みんなが空腹感からうまく考えがまとまらない中、テイルスチャオの寝言にむっとしていたツヤツヤシャドーチャオが、突然にっこりとにやけます。
頭の上に一瞬、ビックリマークが浮びます。
「ああ～。」
何かを思い立ったのか、両手をポンと打つと、にやけ顔のまま歩みだします。
その先には、一本の街路樹がありまして、ツヤツヤシャドーチャオはおもむろにジョウロを取り出します。
かにかに池のレースでもらえるジョウロは、植物の成長を促進する奇跡の水が尽きることなく入れられてます。
そのジョウロのお水をかけ終った後、またまた頭上にビックリマークを一瞬浮べ、両手をポンと叩きます。
今度は、チャオの遺伝子に組み込まれた、植物を成長させる儀式の踊りを踊ります。
すると、どうしたことでしょう！
なんと、街路樹には大きな木の実が成りました。
街路樹には不釣合いなその大きな木の実は、重さに耐え切れず、木を揺らすまでもなく、落ちてきます。
早速その木の実を食すツヤツヤシャドーチャオを見て、みんなも各々マネします。

ばくばくばくばく、う～ん、ばくばくばくばくばくばくばくばく、ぷはあ。

テイルスチャオがもう一個食そうと落ちてる木の実に近づくと、その木の実がひょいと拾われます。
通園途中の園児でした。
テイルスチャオは満面の笑みを浮かべ、両手をあげておねだりです。
「ち、かわいこぶりやがって。」
園児は木の実を遠くへ投げました。
それを取りに行くテイルスチャオ。

そして、その園児を殴り飛ばす、黒光りするおてて！
頭の上に光る物を浮べる黒光りなこ、こいつは？


つづく。