☆★☆週刊チャオ第345号【隔週刊化中】☆★☆
週刊チャオは只今、休刊前の隔週刊発行期間です。
次回、12月23日に発行される「チャオ10周年記念特別号」を最後に、週刊チャオは休刊する予定です。
詳しくは【重要】週刊チャオの休刊計画についてをご覧ください。
出かける前に、ふうりんとキョーバ君は言われた。
「実はですね」
「ふうりんさんが見つからなくて」
「探しちゃって」
「編集部の方に電話かけたりしてました」
「な、なんてことを……」
ふうりんは頭を抱えた。
「チャピルさんあたり、変なことやってなきゃいいんですが……」
☆★☆ 週刊チャオの表紙 - Last Episode ☆★☆
第10話 「結集」
~あらすじ~
事件の黒幕セティとDXエアーの一味は、ふうりん救出特殊部隊を捕らえた。
敵の正体に気づき、急遽週刊チャオ編集部へと向かうふうりんとキョーバ君。
かいろくんは放送作家に、ふうりんを一緒に助けるよう請い、2人で編集部への特攻を目論む。
【チャピル】「ふぁっ……ふぁっ……ふあぁぃぇっくしぃぃぃぃぃん!!」
チャピルが盛大にくしゃみをした。
編集部ビルの屋上、日没後、しかも季節は冬。その気温は、ちょっと息を吐けば白くなるぐらい寒い。
【けいりん】「本当にハクションって言いながらくしゃみをする人っているんですねー」
【チャピル】「ハクションじゃなくて、『ふあぁぃぇっくしぃぃぃぃぃん!!』なんですよ!」
【けいりん】「どっちも変わらんです」
【チャピル】「そうですか……と、それにしても」
【けいりん】「?」
【チャピル】「けいりん美少女説が正しいとすると、自分は今、世の中の男性諸君から恨まれるような立場にあるんじゃないですかね。ほら、縄でしばられて密着なんて」
【けいりん】「……」
【チャピル】「まー、そこの猫とか、シャドチャっぽいのとかがいなければ、もっといい状況なのは確かですけど」
【けいりん】「黙れや」
【シグマ】「斬ってやろうか……」
【DX】「にゃあ(アホらし)」
【チャピル】「はい。すんません」
▼週刊チャオとは▼
チャオBBS内で、自分の考えたチャオに関する小説などを、みんなが書き込むツリーのことです。
週チャオに小説を載せるのには、何の資格も要りません。
また、小説以外にも、詩、俳句、歌など、文学作品なら何でもOKです。
なお作品への感想は上の「感想・伝言ツリー」へお願いします。
▼作者の方へのお願い▼
・読み切りか連載かによって投稿する場所が違います。適切なコーナーにレスをして書いてください。
・読者の人が見やすいよう、短文でいくつもレスを付けて続きを書いていかずに、なるべくひとつの発言の字数制限いっぱいまで追加しましょう。
・見やすくするために、2つ以上のレスを使うお話の場合、多段レスをせずに2つ目以降は全て1つ目にレスするようにし、一段になるようにしましょう。
× ├チャオのお話・1話 ソネック
└チャオのお話・2話 ソネック
└チャオのお話・3話 ソネック
○ ├チャオのお話・1話 ソネック
├チャオのお話・2話 ソネック
└チャオのお話・3話 ソネック
●○発刊場所の臨時変更について○●
この度は、CHAO BBSがメンテナンスから復旧しない状況が長く続いているため、
ここ「週刊チャオ編集部 サークル掲示板」にて臨時の発刊を行うこととなりました。
CHAO BBSが復旧するまで、週刊チャオはこちらの掲示板に掲載されます。
基本的にはCHAO BBSの時と同様に週刊チャオを利用していただきたいのですが、実際のところ、いくつかの動作に違いがあります。
また、その他の詳細についても、ろっどさんが週刊チャオ331号発刊に関するお知らせにまとめられているので、詳しくはそちらをご覧下さい。
●○週刊チャオのQ&A○●
【私も週刊チャオに、小説を書きたいのですがいいですか?】
週刊チャオは誰でも、いつでも参加できるツリーです。
参加は自由なので書き込むのに許可や登録はいりません。
いい小説ができたら、ぜひ一度書いてみてください。
【週刊チャオのツリーはいつ立ちますか?】
基本的には毎週土曜日の0時、つまり金曜から土曜になった時です。
ただし、立てる人の都合等により遅れることも早まることもあるので、遅れたときはごめんなさい。
【小説を書きたいけど、次の発行日まで日にちがあり、まてません。】
週刊チャオは次の号が立つまでの一週間有効です。
月曜が来たらおしまい、ページが変わったらおしまいなんてことはありません。
もし小説が水曜日に完成したら、前の土曜に発行した週刊チャオを利用してみましょう。
【今日途中まで書いたけど疲れちゃった。まだ明日続きを書く予定なんだけど…】
そんな時はタイトルの中に「未完成」や「今週続きあり」などをいれておくのが読者
のみなさんのためにいいでしょう。あまり無理をせず自分のペースで書いていきましょう。
【書いた小説の著作権についてはどうなるの?】
基本的に各作者にありますが、週刊チャオ編集部に限って無断転載ができるものとします。
「つっこめええええええええ!!!!!!」
かいろ君のプロペラ。青いボディが、けたたましい音と共にビルの屋上に現れた。
「かいろくん!?」
「うおおおおおおお!!!!!!」
かいろくんは両腕に力を込めた。支えていた鉄骨を、一気に屋上へと投げ込む。金属音がぐわんどらんと鳴り響き、ただっぴろい屋上、無秩序に鉄骨が配置される。
「助けにきたぞおおおおおおお!!!!!」
かいろ君が投げ込んだ鉄骨には、ロープが固定されていた。そのロープを辿って、1台のリフトがビルの屋上まで上がってくる。放送作家と共に。
「ふうりんを誘拐した連中はどこだああああああ!!!」
かいろ君が叫ぶ。
「かいろくん!!!!」
チャピルの声。
「今はふうりんは問題ではありません!」
カツカツと、よく響く音が、屋上に近づいてくるのがわかった。
屋上に一人の人間が現れる。セティ。
セティはかいろ君とリフトに乗った2人を見て、少し驚いた顔を見せた。
「いつの間にか、ずいぶん賑やかになったものね」
「セティさん! 目的は分かりました。ですから、この縄を解いて、放してくださいよ! あなた方の理念には、大筋賛同しますから!」
「あら、あの話をしてくれていたの。その必要はなかったのに」
「どういう意味だ?」
そう聞くシグマの目が、鋭い。
「もしや、嘘でしたか?」
「その通りよ、けいりん」
セティの顔に、不敵な笑みが浮かぶ。
「私たちが、たかがチャオのため。そんな小さな器に収まっていられると思って?」
DX(猫)の威嚇が空気を揺らす。
「シャーッ!(DXエアー、お前ってやつは!)」
かいろ君はというと、何が起こっているのかさっぱり分からない様子である。
セティは腕時計に目をやる。
「そろそろ着く頃かしら……?」
その言葉が途切れるのと、リフトで新たな人間が屋上へとやってくるのとが、同時だった。放送作家の隣に立つのは……
「キョーバ君!?」
「キョーバ君! ふうりんはどこへ?」
チャピル達が、次々に驚きの声を漏らす。
「無事です」
そう言って、セティを見つけたキョーバ君は、わずかに笑みを浮かべながら、指差した。
「それにしても、犯人はあなただったんですね、セティさん」
「まあ、あなた達にはばれているだろうとは思っていたんだけど」
セティは冷たい微笑みと、黒い筒とをキョーバ君に向ける。
「本当は、これはあまり使いたくなかったんだけどね」
銃器の存在に、屋上の空気が、一瞬にして緊迫に包まれる。
キョーバ君の隣の放送作家が、自らのピストルを取り出そうとした、しかし、その行為はけいりんの声によって止められる。
「あなたが撃たれて、キョーバ君があたふたしているうちに、キョーバ君も殺される」
「賢いわね。けいりんは」
セティの表情には、余裕すら見て取れる。
しかし、キョーバ君はそんなシリアスな空気を全く読むことなく、一歩前へと歩み出た。
「あなたに私は撃てません」
……
キョーバ君は聞いていたのだった。飛行機の中で、ふうりんの推測を。
ふうりんは周りに聞かれぬよう、静かにキョーバ君に話しかけた。
「気がつきませんでしたか? あの時私たちが倉庫へ向かうことを知っていて、なおかつ私たちを閉じ込めることが出来た人物が、たった一人だけいたことを」
キョーバ君は閉口した。
「リーダーですよ。週刊チャオ同好会を名乗りながら、彼は同時に、某国での週刊チャオの取引を掌握していた。同好会を作るぐらいだから、元々週刊チャオの熱心な読者だったのかもしれません。でも、某国で週刊チャオを手に入れるのは大変です。それが何らかのきっかけでセティと接触を持ち、某国での週チャオ海賊版販売に至ったのかも」
「……証拠はあるんですか?」
ふうりんは確信を持ってうなずく。
「証拠と言い切るには確実性に欠けるかもしれませんが、あの時点で、私たちを眠らせる準備をするためには、リーダーのポジションがいかに便利だったかは、想像に難くありません。……おそらく吸入式の麻酔薬か何かでしょうね。しかもそれから保護するために、倉庫内の週チャオの梱包は、あらかじめ非常にしっかりしたものになっていた。そこまでの準備ができたとすれば、彼です。
医者であり、私たちの来訪を知っていた、ね」
キョーバ君は、ふうりんの言葉をにわかに信じられなかった。
「リーダーだとして、なら、どうしてわざわざ、我々を倉庫に誘うようなことを……」
「……ここからは私の勘ですが……その秘密を知っているのは、セティしかいない。しかもそのセティは、あの倉庫での出来事で分かった通り、私たちに手を下すことはできない。
そう、私たちがステーションスクエアに戻れば、全てを終わらせられる」
だから、キョーバ君は言った。
「あなたに私は撃てません」
「……一昔前ならね」
セティの指が、ゆっくりと引き金を引いた。
「さようならキョーバ君。短い表紙人生」
耳をつんざくような銃声が、夜の街に響きわたった。
弾丸はキョーバ君の頭上を駆け抜けた。
「どういうこと!?」
「まったく……ヒヤヒヤさせやがって……」
放送作家がすんでのところで、リフトを降ろしたのだった。