☆★☆週刊チャオ チャオ生誕10周年記念特別号☆★☆
~あらすじ~
事件の黒幕セティとDXエアーの一味は、ふうりん救出特殊部隊を捕らえた。
セティの正体に気づき、ステーションスクエアへと向かうふうりんとキョーバ君。
かいろ君と放送作家は、まだ状況が飲み込めていない。セティに銃口を向けられたキョーバ君は、にやりと笑い、言った。
「あなたに私は撃てません」
次の瞬間、キョーバ君の頭上を弾丸が駆け抜けた。
キョーバ君と放送作家を乗せたリフトががくんと降下する。
最上階と同等の高さ、屋上から見て死角となる位置に停止し、様子を伺う。
☆★☆ 週刊チャオの表紙 - Last Episode ☆★☆
最終話 「爆発オチ」
【チャピル】「爆発オチって、自分としては、あまり好きじゃなかったんですけどね……」
【けいりん】「うわーいきなり自分語り始めてるー! きもいよこの人ー!!」
【チャピル】「げふんげふん……こんな状況でも容赦ないっすね。いや、でも理由もありますよ。爆発オチってずるいじゃないですか。爆発したのにそれがなかったことになるなんて」
【けいりん】「シリアスな話を書くときは、それに見合うような、シビアな世界観にしろってことっすねー」
【チャピル】「……けいりんと一緒にいることができてよかったとか言ったら、怒りますか?」
【けいりん】「むしろ天国で言いふらす」
【チャピル】「天国に逝くつもりなんですか!! 地獄じゃなくて!!」
つんつんと、チャピルの背中を後ろからつつくものがある。
振り返ってみると、そこには羽ばたいて空中に静止する、ふうりんの姿が!
「ふ……んんんんんんん!」
つい声を上げてしまいそうになったチャピルの口をふうりんが塞ぐ。
チャピルが落ち着いたのを確認してから、ふうりんは囁いた。
「今からこの縄をほどきますが、すぐには動き出さないでください。このあと私がセティを引きつけます。それを見計らって、一気に動くように、他の3方にも伝えてください」
▼週刊チャオとは▼
チャオBBS内で、自分の考えたチャオに関する小説などを、みんなが書き込むツリーのことです。
週チャオに小説を載せるのには、何の資格も要りません。
また、小説以外にも、詩、俳句、歌など、文学作品なら何でもOKです。
なお作品への感想は上の「感想・伝言ツリー」へお願いします。
▼作者の方へのお願い▼
・読み切りか連載かによって投稿する場所が違います。適切なコーナーにレスをして書いてください。
・読者の人が見やすいよう、短文でいくつもレスを付けて続きを書いていかずに、なるべくひとつの発言の字数制限いっぱいまで追加しましょう。
・見やすくするために、2つ以上のレスを使うお話の場合、多段レスをせずに2つ目以降は全て1つ目にレスするようにし、一段になるようにしましょう。
× ├チャオのお話・1話 ソネック
└チャオのお話・2話 ソネック
└チャオのお話・3話 ソネック
○ ├チャオのお話・1話 ソネック
├チャオのお話・2話 ソネック
└チャオのお話・3話 ソネック
●○発刊場所の臨時変更について○●
この度は、CHAO BBSがメンテナンスから復旧しない状況が長く続いているため、
ここ「週刊チャオ編集部 サークル掲示板」にて臨時の発刊を行うこととなりました。
CHAO BBSが復旧するまで、週刊チャオはこちらの掲示板に掲載されます。
基本的にはCHAO BBSの時と同様に週刊チャオを利用していただきたいのですが、実際のところ、いくつかの動作に違いがあります。
また、その他の詳細についても、ろっどさんが週刊チャオ331号発刊に関するお知らせにまとめられているので、詳しくはそちらをご覧下さい。
●○週刊チャオのQ&A○●
【私も週刊チャオに、小説を書きたいのですがいいですか?】
週刊チャオは誰でも、いつでも参加できるツリーです。
参加は自由なので書き込むのに許可や登録はいりません。
いい小説ができたら、ぜひ一度書いてみてください。
【今日途中まで書いたけど疲れちゃった。まだ明日続きを書く予定なんだけど…】
そんな時はタイトルの中に「未完成」や「今週続きあり」などをいれておくのが読者
のみなさんのためにいいでしょう。あまり無理をせず自分のペースで書いていきましょう。
【書いた小説の著作権についてはどうなるの?】
基本的に各作者にありますが、週刊チャオ編集部に限って無断転載ができるものとします。
凛とした声が、水色の小さな体が、屋上に現れた。
「ふうりん……」
「あら、遅かったじゃない」
「あなた方が何を企んでいるのかは知りませんが、キョーバ君を危険に晒すのは、感心しませんね」
屋上の階段から、黒衣をまとったリーダーも現れる。
「なぜわざわざあなたがたを倉庫に誘ったか、だって?」
リーダーの口から犬歯が覗く。
「その方がドラマチックだからですよ。一つでもドラマが増えた方が、私たちには有利に働く」
リーダーがまだ何か言おうとするのを、セティが遮った。
「これ以上説明する必要もないでしょう。準備は整ったみたい」
セティの姿が、階下へと消える。
リーダーは振り向きざまに、チャピル達に向かって言った。
「聖誕祭に大作を用意していると投書したんですが、忘れてしまわれましたかね?」
次の瞬間だった。
週刊チャオ編集部の屋上が、強烈な縦揺れを始めた。
「地震か!?」
違う。
「きょおおおおばくうううんん!!!!!」
かいろ君が叫ぶのと、リフトに乗ったキョーバ君たちが、窓を蹴破るのとが同時だった。
最上階。キョーバ君は辺りを見回す。そして、走り行くリーダーのしっぽを見つけた。
「あっちです!」
編集部最上階に位置する掃除用具置き場。またの名を、裏の資料室。
週刊チャオの重要な根幹を成していながら、様々な事情で表向きには公開できないような資料の含まれる、暗黒の領域。
キョーバ君らが駆け込んだときには、既に遅し。
「どういうことだこれは……」
放送作家の口から漏れた言葉が、最も状況を的確に言い表していた。
その頃屋上では、揺れの第2波がチャピル達を襲っていた。
もうなりふり構っていられない。必死で掴まって、耐える。
「な、何!」
頭上の空にも、異変が起きていた。
編集部の上空に闇が、まるで全てを丸ごと吸い取ってしまうかのような闇が、現れた。
どこからとも分からない。セティとリーダーの高笑いが、かいろ君やチャピル達を取り巻く。
「我々は!! ついに完成させた!!!」
「時限を! 空想という名の外枠を超え! 世界のありとあらゆる事象を支配するだけの力を!!」
「この編集部に収まる膨大な世界観!!! 1200もの次元のひずみ!!!」
「闇の資料室に蔓延るダークエネルギーを、人類はついに制御した!!」
呆然として、渦巻く空を見上げるけいりん。
「まさか週チャオに書き込まれた作品のそれぞれの世界観。それが持つエネルギーを、全て吸収したとでも……」
「研究の成果が、ついに結ばれた!!」
「にゃあ(聖誕祭の大作……週チャオに投稿されてきた全ての作品の融合体が、この空に集まっているということか!?)」
「聖誕祭に高まったチャオラーの想像力が、いい感じに世界を構築していってる!! これほど今回の式典にふさわしい舞台はないわ!!!!」
「この場合チャオラーの妄想にも、感謝してやるべきなのか!? ハッハッハ……」
暗雲は渦を巻きながら徐々に拡大し、空を覆い尽くそうとしていた。
「くっそおおおおお!!!!!」
何者かが、屋上のコンクリートを、思い切り殴った。誰が殴っているのかは見えないが、音なら分かる。DXエアーだ。
「これが!! これが奴らの目的だったなんて!!」
もう1発、2発、虚しい音が響き渡る。
「チャオの普及がセティさんの理想だと、そう思ってついてきたのにッ!!」
かいろ君が、DXエアーの肩にポンと手を乗せた。
「そのとおりだああああああ!!!!!!」
驚くDXエアー。
「今のボクには、お前の姿がはっきりと目に見えるぜ!!!! そうだ。あんなのチャオ小説じゃない!!! 偽物だああああ!!!!!」
かいろ君は拳を思い切り、天空へと突き上げる。
「あれがお前達のチャオか!? お前達のチャオ小説か!?」
「確かに!!!」
シグマが立ち上がった。
「俺たちの作ってきたのが、あんなわけの分からないものだってんなら、お笑いだな!!」
「……にゃあ!!!」
「私たちは!!!!!」
編集部ビルを第3の揺れが襲う。しかし、もう誰も動じない。
ビルはきらきらと輝いていた。新しいことが始まる予感。
「なんか良く分からないけど! 資料室がいきなり光り始めたんです!!」
キョーバ君の声と共に、見たこともないようなキャラ達が、次々に屋上へと飛び出してきた。
「すごい!!!!」
「私たちのチャオ小説は、決してあんな暗雲ではない!!」
「これが……ボクたち……!!」
「グラビティフィールドオープン!」
「男なら勇気を持て!」
「いわゆるひとつのメークミラクルを起こしましょ~よ」
「チククも行く!」
「Don't try to be a hero」
「決心がついたかどうかはわからねぇ、でもな、今やらなけりゃあ後はねぇ!!!」
屋上に集まるチャオの数は、どんどんと増えていく。
彼らは皆、過去の週チャオに投稿された作品のキャラクターだ。
「誰だこいつら!!?」
シグマの疑問に答えるのはチャピルのスマイル。
「ライブラリーを見てね!!!」
そんな会話の合間にも、刻一刻と増えていく屋上のキャラたち。
「まずいです! このままだと、自重でビルがつぶれてしまう!」
「いいぞおおおおおおお!!!! もっと来い!!!!」
「かいろくん!!」
「自分が皆を護る!」
「あ~もう『無謀です』が遺言になっちゃうです」
「ダッコするにはいろんなテクニックが必要だぞ、チャイキー」
「死ね! 猫にゲーム機蹴られて死ね!」
「だーはははははは!」
「アタマ~アタマ~アタマ~ アタマ~を~食べ~ると~♪」
「小説新人は大抵、主人公が超必殺技を使って勝ちます」
ビルが小刻みに振動し始める。揺れの第4波が、
「キタキタキタキタアアアアアアアア!!!!!!」
週刊チャオ編集部ビルを、浮かび上がらせた。
屋上から身を乗り出し、階下を臨んで、揺れの正体が分かった。オモチャオが、人型ロボットが、チャオウォーカーが、週刊チャオにかつて登場したメカ類が、このビルを押し上げ、ゆっくりと上昇させている。
「ヴィクトリー6号機、発進!!」
「進化したチャオバトラー、その名は、チャオバスター!」
「チャオレンジャーロボX、発進するのだ!!!」
「大気圏突入! 大気圏突入モード!!」
「マグナム、はっし~ん!!」
「そういや、何でマグナムって名前なんだ? この飛行機・・・・・・」
「そりゃ、ソニックときたらマグナムしかないでしょ!!」
屋上以外にも、編集部ビルの至る所に、他作品のキャラが集まってきている。
「そんな! この世界観統合エネルギーを制御するのは、常態では不可能なはず!!!」
「この伏線因果宇宙の中で、そんなめちゃくちゃな展開は通用しない!!!!」
リーダーの声と共に、ビルの加速度が一段と増した。暗雲へぐんぐんと近づいていく。凄まじい風で、屋上にいた何人かが暗雲の中へと吸い込まれていく。
「どうなってるんだ!!」
「彼らは膨大なエネルギーと質量を一点に集め、ブラックホールとして作用しているのです!!! このままでは、押しつぶされてお陀仏です!!!!」
しかし、ふうりんの叫びは、集まったたくさんのチャオたちの声にかき消された。
「構うものかああああああああああ!!!!!!」
「そうだああああああ!!! その通りだああああ!!!」
「奴らに吸い込まれてしまう前に、俺たちが撃ち落とす!!!」
そう言って思い思いの武器を手に取る。
ふうりんは呆然と立ち尽くした。
「みんな……」
「Don't make me sad!」
そんなふうりんの目の前にあらわれるのは、ゴキ吉。そう、以前ネタ半分で書いた作品も、きちんと週刊チャオの歴史として、組み込まれていたのだ。
チャピルはあの暗雲の中にいるであろう、セティとリーダーに、見栄張って宣言する。
「ここは伏線因果宇宙ではありません!!!!」
「何が言いたい!?」
「チャオ達がいつでも主人公になれる宇宙です!!!! チャオを敵にした時点で、あなた方に勝ち目はない!!!!!」
「何……だと……?」
編集部ビルの推進力はぐんぐんと上昇していた。
パーフェクトカオスウェーブはビーム弾をまき散らし、人工チャオジェノムはレーザーをぶちかまし、フライヤはちょっとずれたことを言い、ダークチャオとヒーローチャオは歌を歌い、ライトカオス様はエッチなことを考え、チャクロンは寝ている!
「シュヴァルツシルト半径! 突入します!!!」
「行くぜええええええ!!!!!」
「もちろん!!!!!!!」
「俺たちの変化の見せ所だ!!!」
「うおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」
「ドラゴン・フレア!!!」
「ホーミングレーザー!!!!!」
「友情奥義!!ダン・パンチ!!!!!」
「封印されし究極魔法……レインボーダスト!!」
「カオス・アベレイジ……!!」
「ロケットランチャー!!!!」
「ダブル・スピリッツ・ジ・オーシャン!!!」
「サイコロジカルレクイエムッ!!!」
「カイゼル・ジルヴァンヴォルフッ!!!!!」
「カオス・バースト!!!!!!!」
「皆、心を1つに! あいつに俺たちのエレメンタルを!」
誰も自分の最大の力を出すことを惜しまない。
攻撃が効いているかどうかは分からなかった。しかし、誰もがこの瞬間に、生き生きとして、輝いていた。
そして、それら作品を束ねるのは……
「ああああああ!!!!!! 俺たちのおおおおおお!!!!! 表紙はあああああああああ!!!!!!」
かいろ君が音頭をとる。
「チャオと!!!!!」
「チャオラーと!!!!!」
「にゃあ(猫と)!!!!!」
「けいりんと!!!!!」
「空気と!!!!!」
「オモチャオのおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
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週刊チャオは、毎週進む。毎週一号ずつ、ちょっとずつだけど、進んでいく。
「俺たちのおおおおおおおおおおお未来だああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
莫大なエネルギーが、いや、エネルギーを超えた何かが、編集部ビル内に充満していた。
皆が思い思いの言葉を紡いでいく。
『私はここに居ます』
新しい物語、未来誕生の瞬間だった。
ブラックホールに入った物は、光でさえも抜け出すことはできない。その常識は、覆された。
ガス幕をぶち抜くビル。
セティとリーダーを渦巻いていた暗雲は、
まるで聖誕祭を祝福する花火のように、
爆発した。
週刊チャオは本号を最終号とし、2008年の終了と共に休刊とさせていただきます。
長い間のご愛読、ご投稿、本当にありがとうございました。
読者も、作家も、編集部を内側から支えていてくださった方々も、誰が欠けてもこの7年間はこのようなカタチで終わりを迎えることにはならなかったでしょう。
そして、私たちを結びつけてくれた「チャオ」
チャオを愛する人々の創作活動の場として、チャオを愛する人々の架け橋として、週刊チャオはその役割を終えました。
しかし、これはチャオを愛する我々の心が絶えてしまったことを、我々のつながりが雲散霧消していくことを意味するのではありません。
願わくばこれからも、チャオのことを、そして週刊チャオのことを忘れずに……
聖誕祭盛り上げよーぜ!!!!!