☆★☆週刊チャオ第342号【隔週刊化中】☆★☆

☆★☆ 週刊チャオの表紙 - Last Episode ☆★☆
 第4話 「なお、このカメラは自動的に消滅する」

※チャピル・・・ウルトラスーパー財布が軽い。
※けいりん・・・なんでだろう、けいりんを見ると、目の前が霞んで見える(キョーバ君談)

~あらすじ~
海外で週刊チャオのパチモンが出版されている。その噂を聞き、現場へ向かったふうりんとキョーバ君。
2人は現地で詳細を知る人々を突き止め、面会にこぎ着けた。
かいろくんは努力が認められテレビ出演、しかし放送作家との不仲が原因で決裂。
そんな中、チャピルとけいりんは、編集部会議室に隠されていたカメラを発見する。

「これは・・・」
手に取ったカメラを、けいりんは注意深く眺めた。
チャピルがあごに手を当て、言う。
「カメラですね」
「わかってます」
「偽週刊チャオに利用されていたものなんじゃないですか?」
偽週刊チャオの表紙には、表紙対談の現場を撮影したとおぼわしき写真も掲載されていた。チャピルはそのことを指摘したのだ。

「だから、さっきからその手がかりがないか無いか探してるわけですが・・・」
けいりんの手の上にあったカメラが、ポン、と音を立てて破裂した。
「なお、このカメラは自動的に消滅する」
「・・・へー、すごいですね。どうしてカメラの裏に貼り付けられていた言葉が分かったんです?」
けいりんのあきれたような眼差しに、チャピルは口をつぐんだ。

手の上に残ったカメラの残骸を払い落とすけいりん。
「結局、何の収穫も無しですか」
その声には、明らかな失望が込められていた。
チャピルは窓の外を眺めながら、ぽつりと言葉を出す。
「いや、そんなことは無いと思いますけど」
長くない前髪をかき上げながら、チャピルは言った。


週刊チャオは只今、休刊前の隔週刊発行期間です。
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●○発刊場所の臨時変更について○●
この度は、CHAO BBSがメンテナンスから復旧しない状況が長く続いているため、
ここ「週刊チャオ編集部 サークル掲示板」にて臨時の発刊を行うこととなりました。
CHAO BBSが復旧するまで、週刊チャオはこちらの掲示板に掲載されます。

基本的にはCHAO BBSの時と同様に週刊チャオを利用していただきたいのですが、実際のところ、いくつかの動作に違いがあります。
また、その他の詳細についても、ろっどさんが週刊チャオ331号発刊に関するお知らせにまとめられているので、詳しくはそちらをご覧下さい。

●○週刊チャオのQ&A○●

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参加は自由なので書き込むのに許可や登録はいりません。
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ただし、立てる人の都合等により遅れることも早まることもあるので、遅れたときはごめんなさい。

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週刊チャオは次の号が立つまでの一週間有効です。
月曜が来たらおしまい、ページが変わったらおしまいなんてことはありません。
もし小説が水曜日に完成したら、前の土曜に発行した週刊チャオを利用してみましょう。

【今日途中まで書いたけど疲れちゃった。まだ明日続きを書く予定なんだけど…】
そんな時はタイトルの中に「未完成」や「今週続きあり」などをいれておくのが読者
のみなさんのためにいいでしょう。あまり無理をせず自分のペースで書いていきましょう。

【書いた小説の著作権についてはどうなるの?】
基本的に各作者にありますが、週刊チャオ編集部に限って無断転載ができるものとします。


「さて—」
チャピルは会議室の中を歩みながら、わざとらしく指を一本のばす。
「私が知る編集部員でこんなしっかりしたカメラを所有しているのは、一人だけです」
そして会議室全体をぐるりと見回してから、静かに言う。
「DXさんという、ね」
「にゃあ」
DXが鳴いた。

「にゃあにゃあ(わらわが盗撮などするわけなかろうが!)」
「いや、こちらにいるDXさんではなくてですね・・・確か記憶が正しければ、編集部にはもう一人、同姓同名のDXさんがいるんですよ!! その人はカメラマンで、猫じゃなくて人間なんです! どんな容姿だったか思い出せませんが!!」
チャピルは自らの不完全な記憶をたどりながら、DXを思い出そうとしていた。
けいりんとDXからの視線が痛い。

「えーっと、ああ、そうだ! 確か編集部HPのふうりんの写真を撮ってもらったことがあります!! 彼は異常に存在感が薄いんですよ! 空気ですよ! 空気!」
「にゃあ・・・(そう言えばそんなやつがいたようないなかったような)」
「如何わしい記憶ですが、編集部にカメラマンがいるってのは、確かなようですねー」


某国のホテル。
レンガ作りの建物で囲まれたこのホテルの一角には、ひとつだけ、洋風のカフェが設けられている。
降り注ぐ真夏の日差し。ほほをなでる乾いた熱風。
ふうりんとキョーバ君が向かったのはそこだった。
エレベータでフロントまで下り、裏手の通路を辿ってカフェへと向かう。
ふうりんの目に、この熱いのに全身真っ黒な服を身にまとった、怪しげな5人がカフェテラスで談笑してる様子が飛び込んできた。

ふうりんは彼らに聞こえないように、小声でキョーバ君につぶやく。
「あの人達、大丈夫なんですか?」
「何がですか?」
何も考えていない答え方をするキョーバ君。
キョーバ君の声のせいで、カフェテラスの5人が一斉にこちらを見たのに、ふうりんは気づいた。
5人組のうちの一人が立ち上がって、大袈裟に両手を振る。
「おお、生ふうりんだ!」
ふうりんはとてつもなくいやな予感を感じつつも、軽く会釈をし、カフェへと入る。
キョーバ君が隣に座る。
黒衣の5人組がうなった。

「ニセ週刊チャオの調査に協力していただき、ありがとうございます」
「いえいえ」
5人組のちょうど真ん中、がっしりした顔の男が、両手を激しく振る。
「こちらこそふうりんさんにお会いできて光栄です!」
「・・・キョ、キョーバ君さんも!」
隣にいた細身の女性が、慌てたように付け足した。

「単刀直入に聞きますが、こちらで販売されている週刊チャオについて、どのような情報をお持ちなんでしょうか?」
「そりゃあもう、なんでも知ってます!!」
がっちりした男が、拳を振り上げた。
それが合図だったのだろう。両端にいた2人が勢いよく立ち上がって叫ぶ。
「なぜならば!!」
「我々は!!」
「ふうりんファンクラブ!!! 兼、週刊チャオ同好会!!!」
2人の声が重なった。まるで小学校の卒業式のように。
「週刊チャオについて、我々が知らない情報は、ない!!!」
「ぜひなんでもお聞きください!」
そして、着席。
ふうりんは軽くめまいを覚えた。

キョーバ君に、ホテルの室内で書いておいたメモを渡す。ふむふむと読むキョーバ君。立ち上がるふうりん。
「すみません、体調が優れないため、少々失礼します・・・」
「えー!」
がっちり顔の男とキョーバ君が共に、愕然とした表情で見合わせた。
「ふうりんファンクラブの使命と思って、ふうりんさんに合うためだけにここまで来たというのに・・・」
「一人だけで、どうすりゃいいんだ・・・」
「メモには何が書いてある?」
男の質問に対し、キョーバ君は紙をひっくり返してみせる。
「知りたい事項がまとめてあるだけですよ」

「常識的に考えて、それを聞いておけってことだろうがああああ!!!」
男の隣にいた細身の女性が、突如、机をバンと叩いた。びっくりするキョーバ君。
「そんなことも分からないのかああああ!!!! 一人だけじゃ出来ないって、何でやねん!!!! どれだけ他人に甘えて生きてるんだよ!!! ふうりんから託された仕事ぐらい、一人でやってのけろや? えぇ!?」
「いや!・・・それぐらいわかりますよ!」
キョーバ君の反応に、細身の女性は突然しゅんとなって、蚊の鳴くような声でつぶやいた。
「す、すいません・・・つい机を叩いてみたくなりました・・・」

このページについて
作者
チャピル
掲載号
週刊チャオ第342号
ページ番号
358 / 369
この作品について
タイトル
表紙
初回掲載
祝!復刊!週刊チャオ第1号
最終掲載
週刊チャオ チャオ20周年記念号
連載期間
約16年9ヵ月17日