☆★☆週刊チャオ第341号【隔週刊化中】☆★☆
週刊チャオは只今、休刊前の隔週刊発行期間です。
休刊まであと6号です。(本号を含む)
隔週刊化中、どのようなペースで掲載を続けるかは自由です。
今まで通り毎週土曜に載せても構いませんし、1号に2週間分を載せる形でも可能です。
詳しくは【重要】週刊チャオの休刊計画についてをご覧ください。
※チャピル・・・たまには聖誕祭ツリーのことも思い出してあげてください。
※けいりん・・・334号以後、見事に準レギュラー化に成功してしまいました・・・恐ろしい子!
※DX・・・飼い猫の写真を撮るのが趣味だが、そのせいで飼い猫の方こそが本物のDXさんだと思われている不幸な人。
☆★☆ 週刊チャオの表紙 - Last Episode ☆★☆
第3話 「キョーバ君でいいですか?」
【チャピル】「今日は小説を書く上での、資料の存在について放してみようかと思います」
【けいりん】「資料ですかー、やはり小説を書く上で、実際にその場に立ち会うわけには行けないような場面が出てきますからねー」
【DX】「にゃあ(そこで想像を助けるための資料なのだわさ)」
【チャピル】「異国の風土とか、珍しい病気とか、あまり縁のない職業だとか、そういったものを正確に描かないといけないときには、資料の存在が何かと便利なのです」
【けいりん】「実物を見たわけでもないのに、本物のように書くんじゃねー、ってことですかね」
【チャピル】「いや、ほんとのところ、100%空想で通してしまっても、大した問題にはならないわけですが」
【けいりん】「なにが言いたいですか」
【チャピル】「要するに資料というのは想像力を補うためのツールであって、それ以上でもそれ以下でもないわけですよ。だから別に資料を当たらなくても小説は書けますし、むしろその方が独創性豊かな作品になるかもしれない。でも、もし仮に、史実を土台にした正確な描写に作品の重要な要素を担わせたいのであれば、それは、意味がある資料と言うことになるんでしょうけどね。資料に踊らされて、自分の書きたい世界が描けなくなったら、それはそれで滑稽というものです」
【DX】「にゃあ(バランスが大事といいたいのかい?)」
【チャピル】「それもありますけど、うーん、資料を探すのも結構めんどくさいですしー」
【けいりん】「結局手抜きなのかー!」
【けいりん】「Go○gleとかYah○o!とかで検索すれば良いだけの話じゃないんですか」
【チャピル】「いやー、ついつい関係ないページにも、目が泳いでしまうのですよ」
【DX】「にゃあ(ダメだこの人は)」
【けいりん】「その余計な目を潰してやりましょうかね・・・」
【チャピル】「えっ! 誰にでもよくあることなんじゃないんですか!? ええっ!?」
▼週刊チャオとは▼
チャオBBS内で、自分の考えたチャオに関する小説などを、みんなが書き込むツリーのことです。
週チャオに小説を載せるのには、何の資格も要りません。
また、小説以外にも、詩、俳句、歌など、文学作品なら何でもOKです。
なお作品への感想は上の「感想・伝言ツリー」へお願いします。
▼作者の方へのお願い▼
・読み切りか連載かによって投稿する場所が違います。適切なコーナーにレスをして書いてください。
・読者の人が見やすいよう、短文でいくつもレスを付けて続きを書いていかずに、なるべくひとつの発言の字数制限いっぱいまで追加しましょう。
・見やすくするために、2つ以上のレスを使うお話の場合、多段レスをせずに2つ目以降は全て1つ目にレスするようにし、一段になるようにしましょう。
●○発刊場所の臨時変更について○●
この度は、CHAO BBSがメンテナンスから復旧しない状況が長く続いているため、
ここ「週刊チャオ編集部 サークル掲示板」にて臨時の発刊を行うこととなりました。
CHAO BBSが復旧するまで、週刊チャオはこちらの掲示板に掲載されます。
詳しくはろっどさんが週刊チャオ331号発刊に関するお知らせにまとめられているので、そちらをご覧下さい。
●○週刊チャオのQ&A○●
【私も週刊チャオに、小説を書きたいのですがいいですか?】
週刊チャオは誰でも、いつでも参加できるツリーです。
参加は自由なので書き込むのに許可や登録はいりません。
いい小説ができたら、ぜひ一度書いてみてください。
【小説を書きたいけど、次の発行日まで日にちがあり、まてません。】
週刊チャオは次の号が立つまでの間有効です。
月曜が来たらおしまい、ページが変わったらおしまいなんてことはありません。
【今日途中まで書いたけど疲れちゃった。まだ明日続きを書く予定なんだけど…】
そんな時はタイトルの中に「未完成」や「今週続きあり」などをいれておくのが読者
のみなさんのためにいいでしょう。あまり無理をせず自分のペースで書いていきましょう。
【書いた小説の著作権についてはどうなるの?】
基本的に各作者にありますが、週刊チャオ編集部に限って無断転載ができるものとします。
ガタリ。
立ち上がろうとするチャピルを、けいりんが手で制す。
物音がしたのは会議室の一角、雑品が積み重ねられた山の辺りからだ。
「ネズミか何かでしょうか?」
「さあ・・・」
けいりんが歩み寄って、その山の中を注意深く調べる。
盛られた雑品の頂上で一際目立った、黒く、つや光りするものをけいりんは見つけた。チャピルには、それがなんなのか見覚えがあった。
「にゃあ」
~あらすじ~
海外で週刊チャオもどきが発売されていることを知った週刊チャオ編集部は、ふうりんとキョーバ君を派遣した。
一方で、テレビに出演することになったかいろくんは・・・
「あの事故のおかげで、カメラやセットは壊れるし、スケジュールもめちゃくちゃだ!! 一体、どう責任を取るつもりなんだ?」
放送作家は怒りと共に、拳を机にぶつけた。かいろ君を睨む。
「ボクは・・・ただ一生懸命漕いだだけなんだ!! まさか壊れるとは思わなかった!!」
「ああ、確かに自転車の強度が不足していたことは認める。だがな、普通の人間は、あんなスピードで自転車を漕いだりはしねぇんだ。お前があんな無鉄砲な漕ぎ方をしなければ、今回の事故は防げたはずだ」
「なら、事故が起こる前にそう言ってくれればよかったのさ!! 誰もあんな風に壊れるなんて思って自転車に乗りはしない!!!!!」
「アホか、お前は。知りませんでした、で済む問題じゃねぇんだよ。見ろ、ここに請求書がある。協議の末決まった、お前の割合はたった被害の30%だ」
「ボクはお金を持っていない!!!!」
「そうだ! その通りだ!!! 自分で自分の責任もとれねぇくせに、いい気になって人気者面してるんじゃねぇんだよ!!! 自分が自由な意志で動けば動くほどに、それはお前の義務となる。これが、社会の掟だ!!!」
「ああ!!! でも、ボクはお金を持ってないんだ!!! 請求書を突き出されても、ボクにできることはない!! 一体どうしろって言うんだああ!!!?」
「働いて稼げばいいだろうが!!」
「できない!!!! ボクはオモチャオだ。誰もボクらにお金を出して雇ってくれたりなんかしない!! このテレビだって、一銭も貰わずに出演しているよ!!! それなのに一方的に請求書を渡されたって、どうしようもないじゃないか!!!」
「違う。オレたちはお前がオモチャオだから給料を出さないんじゃない。お前が欲しくないと言うから渡さないでやってるんじゃねぇか!!っ・・・、オレはお前のそういうところが嫌いなんだよ!この街には、お前より一生懸命働いて頑張ってる連中がたくさんいる。でもな、そういう人間は、決して脚光を浴びることはないんだ。お前がオモチャオだからって・・・お前みたいな、タダでほいほいボランティアばかりしてる変なオモチャオばかりが目立って、そういう大事な連中に向けられるべき目線を奪ってしまう! 働きたいなら、金を貰えよ。雇われて搾取されながら、一生懸命働けよ!!!」
「お前こそ間違ってる!!! ボクは断じて、自由のためにお金を貰わまいとしてるんじゃない!!!これはボクがオモチャオとして生きていく上で、自分で決めたことなんだ!!!街で交通誘導したり、道案内をしてる仲間達、あいつらがボクと同じように、給与を一切受け取らずに働いていることを、気にかけてくれる人は少ない!!みんなが平然と受け取ってる! でも、それがボク達オモチャオの誇りなんだ!!!!!他のオモチャオよりも目立つような仕事をしたら請求が来るなんて!!!!働きたいと思ってやったら逆にお金を取られるなんて、そんなことがあってたまるか!!!!!!!」
「他のオモチャオより派手な仕事をしたいなら、給料を貰った方がいい。今回の件で分かっただろう! お前には給料が要る!! 今からでも、そうプロデューサーに言ってこい!!」
「嫌だあああああ!!!!!」
「分からない奴だな!!! お前はこの請求を払わなきゃいけないんだよ!!」
「もしボクが給料を受け取ったら、他のオモチャオたちも給料を受け取るようになるのか!? どっちにしたって、ボクは・・・」
「・・・くだらねぇよ。お前の望む世界なんてくだらねぇよ。金を受け取ることがそんなに嫌か? お生憎様、オレたちゃ金をあれこれ回しながら生きてく生き物なんだ。無償の愛なんてくだらねぇよ。そんなことができるのは、どっかの神様だけなんだ」
「それがどうした!!!! ボクは誰の負担にもならないように働きたい!!! それがボクのやり方だ!! こんな請求書、どうにかこうにかしてやるよ!!!!!!」
「だったら結局、お前は仕事をしなくちゃいけねぇんだよ!!!」
「・・・もしも目立たぬ企業戦士と、ボクとの違いがあるとしたら、それは仕事と奉仕の違いだ!!!! ボクは分け隔てなく誰にも幸せになって欲しい! これがボクの奉仕だああああああ!!!」
「ああ? オレたちが金持ちのために働いているとでも? そんなわけがないだろうが!!! 仕事を馬鹿にするんじゃねぇ。奉仕ばかりに注力して、義務を疎かにするお前の方が、よっぽど馬鹿なんだよ!!!」
「本当にそう思っているなら、お前の作りたい番組はなんだ!? ボクより脚光を浴びて欲しい人がたくさんいるというのなら、お前が出してやればいいじゃないか!!!! ボクなんかをテレビに引っ張り出す前に!!!!!!!」
「ああ。そうだとも! 最初からお前なんか出したくなかった!! オレの意図でこうなったんじゃない。他の作家との兼ね合いでこうなったんだ。テレビなんて、一人でどうこうなるもんじゃない」
「伝えたいんだろ!! だったらそう言えよ!! 断られてもしつこく言えよ!!! ・・・それが、放送作家の台詞か!!!」
ふうりんはため息をついた。
キョーバ君に持ってこさせた偽週チャオのバックナンバーは、膨大な数に上っていた。ひたすらホテルでそのバックナンバーを細かく調査し、何かヒントになりそうなものを探していたのだが、一向に見当がつかない。五里霧中だった。唯一発見した最初の頃の号には書かれていた出版社名も、調べてみれば何のことはない大手取り次ぎ会社の名前で、ふうりんはがっかりしてしまった。
調査が思うように進んでいないのには、もう一つ理由があった。ふうりんが少し町中を歩いただけでも、初日の空港のように人垣に囲まれてしまうのだ。真夜中、人気のない路地などを行けばまだいいのだけれど、そんな時間帯では調査にならない。ふうりんが本社からの人手を求めた理由はここにあった。
おまけにここ数日は体調も優れない。なかなか進まない調査に、ふうりんはうんざりしていた。
部屋の扉が開く。キョーバ君が顔をのぞかせる。
「えーっと・・・偽週刊チャオについて、詳しそうな人たちがいたんで、ついてきてもらったんですけど」
「あ−、そうですかー・・・って、ほんとに?」
キョーバ君をただのパシリだと思っていたふうりんは、驚いた。
「はい。今もうすぐ近くまで来てもらっているんですけど、入れた方が良いですかね?」
「もちろん!」
ようやく別のルートからの情報が得られる。希望が見え始めたと、ふうりんは思った。