=【炎の世界編】=第27話
前回のあらすじ
ウィンドルフ=ガルガン神の配下、
「天使」の五人がようやくデビルの火の国にたどり着く。
目的はこの度の「反乱」に対し「制裁」すること。
城は半分以上を破壊。
しかしそこに現れた謎の人物とは・・・。
「それにしても、全員で力をあわせることなど久しいな。」
「はい。ジュエアルフとテンペストが真っ先に撃破してしまいますからね。」
「私たちの出番が来るのは何百年ぶりだろうね~☆」
三人がそんな会話を交わしている間にも、ジュエアルフとテンペストの不満は高まっていく。
「あんな奴は俺一人で十分だっ!」
「何を言うか!俺一人で倒してみせよう!」
段々喧嘩ムードになってきた二人をそっちのけでアルガウスは命令を下す。
「相手の情報は何も無い。だが、勝てない敵ではなかろう。
フレイラ、グリフェルス。相手の動きを封じてくれ。
ジュエアルフ、テンペスト。封じた後は思いっきり攻撃しろ。」
「わかったよ~☆」
「了解しました。」
「おっしゃぁっ!」
「粉々にしてくれよう。」
個人の特徴が出た返事をしたところで、全員の視線はよく見えない相手に向いた。
相手は見えずとも、グリフェルスの「風」の流れで場所は分かるのだ。
「グリフェルス、いくよ~☆」
「いつでもいいですよ。」
「んじゃ、せーの・・・☆」
『樹縛相違牢!』
二人は森の木々を操り、相手を囲んだ。
そして枝を内側にしならせ、上も包囲した。簡単な牢の完成だ。
そして最後に蔓で完璧に抜け出せないまでに牢を縛り上げた。
「・・・?」
「どうしたの?グリフェルスぅ☆」
「いや・・・相手が全く同様しないんだ。
空気の流れが全く変わらない・・・。」
「それってどーゆーこと?☆」
「つまり・・・『無意識の反応』も無い・・・。
君は目の前に何かが突然現れたら驚いて飛び退くだろう?」
「例外はあるけどね・・・。うん☆」
「それも無い・・・ってことだよ。」
確かに牢に相手は囲まれているが、全く動じていない。
それどころか『そこにはいないような感じ』までする。
「さて、俺たちの出番のようだなっ!」
「破壊しつくしてやろう・・・。ククッ。」
「いくぞテンペストっ!」
『邪炎蒼軌!』
二人の手から放たれた黒い炎は牢目掛けて蒼い軌道を描き飛んでいった。
そして見事命中。牢は粉々だ。
地面はえぐれ、周りの木までにも被害が及んでいる。
「ふぅ・・・。」
だが・・・技が命中したはずの相手の声が聞こえてきた。
深い・・・心を揺らし、視界を暗くするようなとても深い声が。
「何故・・・生きているのだ。」
「そなたらの力では倒すのは無理・・・ということだろうなぁ。
今度は此方から行かせてもらうぞ。」
「く・・・。
・・・む?あれは・・・。」
ふと後ろの空を見ると遥か上空に一つの影が・・・。
「あれは・・・ガルガン神様!」
つづく