=【炎の世界編】=第26話
前回のあらすじ
地下の世界に戻ってきたチャオルカとチャルガ。
フレアスも同行し、地下世界見学を。
そこに特攻少女リリーが現れ・・・。
~デビル炎の国アファス森上空~
数日前にウィンドルフ=ガルガンから炎の国討伐の命を受け、
飛び立った天使五人。
いまだ空を飛び続けていた。
「なかなかつかないねぇ~☆」
この軽くてのんびり口調の天使はフレイラ。
成長を掌る。
「まぁ、天空の宮殿からここまで1500kmも離れているのだから
しょうがないでしょうね」
この天使はグリフェルス。再生を掌り、
滅多なことでは怒らないが怒ると手が付けられない。
「俺はいつでも臨戦体勢だっ!いつでもこいぃっ!」
この血の気の多い天使はジュエアルフ。
怒りを掌る。戦闘好きな天使じゃないような天使である。
「ジュエアルフに同感だ。いつでも破壊してやるぞ!」
この雷を落としながら飛んでいる危険な天使はテンペスト。
破壊を掌る。体が黒く、雷の刺青があるのが特徴だ。
「騒ぐのは着いてからでも遅くなかろう。
向こうまで余計な体力は使うな」
この天使は堕天使アルガウス。
天使達のリーダーだ。
「もう城が肉眼で確認出来るだろう。半径50m内に入ったら攻撃開始だ!」
『おうっ!』
だんだんと近づいてくる城。
それに緊迫感が比例する。
城は大体半径300m程度。結構大きい。
「50mだ!周りを迂回しながら攻撃開始!」
待ってましたと言わんばかりにジュエアルフとテンペストが飛び出した。
「喰らえ、蒼竜電火ぁ!」
城に向け構えたジュエアルフの手から青い電撃が迸る。
見事城の東の塔に命中。ガラガラと屋根が崩れ落ちていく。
「っしゃぁ!快調!」
「どけ、ジュエアルフ!破壊は俺の専売特許だっ!」
そう言うとテンペストは手のひらの上に黒いエネルギーを溜めていった。
「闇之尖撃!」
と、そのエネルギーの塊を思いっきり城目掛け投げつけた。
すると『ズドォォォォン』という大きな音と共に城の三分の一が消えて無くなった。
「おっしゃ、合体技いくぜィ!」
「おうっ!」
二人は互いの手を合わせ、エネルギーを混ぜ合わせ大きな球体を作り出し、
『炎撃剛裂衝ぉぉぉ!』
と叫んだ。
すると球体から稲妻と炎の入り混じった光線が
城へ何本も飛び出していった。
技は城に直撃。東の塔が完全に崩れ落ち、城はほぼ半壊していた。
「―こんなものかね?君達の力は」
突然城の方から心に直接響いてくるような声が聞こえてきた。
「誰だっ!」
ジュエアルフは相手をよく確かめずに電撃を放った。
だが、その声の主が手をかざすと電撃はかき消されてしまった。
「・・・風系統か?」
テンペストの予想に、声の主は応えた。
「まぁ・・・そんなとこだな。
しかしどうやったのかはそなたらには分からぬだろう」
確かに、打ち消す能力(=アンチ)なんていう能力など見たこともない。
まぁ、一部の受容的なチャオ達は打ち消す能力を使えるようだが・・・。
「く・・・なんだこいつ」
「俺らの攻撃が弾かれるなんて・・・」
「なら全員でやっちゃえば~?☆」
「うむ、私もそれを考えていた」
「ならいいでしょう。決行以外に勝ちはありませんから」
「いくぞ、天使達よっ!奴を仕留めるのだっ!」
つづく