=【炎の世界編】=第14話

前回のあらすじ

チャルガは弱い自分に嫌気がさし、帰ろうとする。
そこで、不思議な祭壇の声によって留まる事となった。
チャルガは気を失い、気付くと城のような建物の前にいた。
チャルガはそこで待つ事にした。
そこは全く違う場所とも知らずに・・・。


チャルガは待っていた。
皆の到着を。
しかし、いつまで経っても彼らは来ない。
だんだん不安になってきた。
待ち始めて三十分を過ぎようとした時、何人かのチャオがこちらに
近づいてくるのが分かった。

皆だ!

そう思い、チャルガは満面の笑みをうかべ走っていった。

しかし、そのチャオ達は違った。
ビターの家で見た、鬼面のチャオ達だ。
五、六人はいる。
鬼面のチャオ達は城に近づくにつれ、
何かを警戒するような体勢になった。
チャルガは自分でも気付かぬうちに隠れていた。
鬼面のチャオ達が城門をくぐろうとした、その時。

ウィンが現われた。

—何故?

そんな事を考える前に事は起きた。
「な、何奴!」
鬼面を被っているからだろうか、声がこもっている。
「僕かい?僕はウィンドルフ=ガルガンだよ。」
ウィンはさっきと同じ自己紹介をした。
もちろんにこやかに。
「・・・フン。聞いたことも無いな。」
鬼面のチャオの一人がそう鼻で笑った。
「まあいいさ、名は知られていなくとも実力を知れば
どうなるだろう。」
自信満々でウィンは言い放った。
「貴様・・・。」
鬼面のチャオ全員がウィンに向かって飛び掛った。
しかし、予想もしなかった事態が起きた。
ウィンが腕を一振りすると、そこにある全てが凍りついた。

—もちろん鬼面のチャオ達も。

そしてウィンがこう叫ぶ。
「クラッシュ!!」
するとどうだ、凍った全てが砕け散った。
木も草も花も城壁も地面も—チャオ達も。

地面はえぐれていた。
まるで爆発でもあったかのように。
しかし、そんな事は起きてはいない。
凍ってえぐれたのだ。
そんな事は聞いた事も見た事もない。
やはり、ここは自分の世界とは違うとチャルガは思った。

ここはパラレルワールドなのだと・・・。

自分達の世界とは違う進化を遂げた世界なのだと・・・。


つづく

このページについて
掲載号
週刊チャオ第37号
ページ番号
14 / 41
この作品について
タイトル
パラレル・チャオ・ワールド
作者
ドロッパ(丸銀)
初回掲載
2002年10月7日
最終掲載
週刊チャオ第86号
連載期間
約1年19日