=【炎の世界編】=第11話
前回のあらすじ
突然能力の効果があらわれたビーチャルは、
フレアスに勝負を挑んだ。
そして圧勝し、フレアスは逃走しようとした。
しかし、それは突然現れた残酷そうなチャオによって阻まれた。
「き、貴様ぁ!!」
ビーチャルは信じられなかった。
―フレアスの死を。
初めてだった。
自分の前で生き物が命を落とすのを。
そして生き物が命を奪うのも。
自分達はいままで安全だったと思ってた。
シェルターに囲まれ、法で身を固めている自分達は。
しかし、ここは全く違う場所なのだと今気づいた。
―まさにここはパラレルワールドだ。
ビーチャルはそう思った。
気が変になりそうだった。
だがそんな暇を相手は与えてくれはしなかった。
「ふむ、貴様らが例の地下から来た者達か。」
謎のチャオは口を開いた。
「貴様は何者だ!」
ビーチャルは乱暴そうに質問した。
「まず自分から名乗るってのが礼儀じゃないのか?」
「うっ・・・。」
ビーチャルは悔しいながらも自分の名前を言った。
「俺の名はビーチャルだ!よく覚えとけ!
今度はそっちの番だ!!」
するとそのチャオは不敵な笑みをうかべた。
「何がおかし・・・!?」
いつの間にかそのチャオは自分の後ろにいた。
「ふん・・・。戦場で生き残りたいなら
自分の情報を相手に伝えない事だな。」
そのチャオは手からなんと、
葉っぱを出してビーチャルに投げつけてきた。
「これはさっきの!」
ビーチャルはそれをなんとか避けたが、
すぐにそのチャオが迫ってきた。
そしてその拳に吹き飛ばされてしまった。
「うぐぐ・・・・。」
ビーチャルは起き上がろうとしたが、
謎のチャオに蹴られて痛みで起き上がれなかった。
「ふん・・・・。お前のようなあまちゃんが
なぜこんな場所に居るんだか・・・・。
まあ、いきなりの攻撃に驚き理性を失い
突っ込んでったあいつも馬鹿だがなぁ。」
部屋の真ん中にはもう動く事の無いフレアスが横たわっていた。
「こ、この・・・。」
ビーチャルは抵抗しようとしたが無理だった。
だが、そのとき謎のチャオの前にファントムが突如現れた。
「ここを去れメロウ!!」
どうやらファントムはこのチャオを知っているらしい。
「ふふ・・・。今日は豪勢なメンバーだねぇ。
「騎士団」のビター、獣牙、ファントムとは。
ふん・・・いいだろう去ってやるよ。
だがな!次に会うときは貴様が消えるときだ!!」
そういうとメロウは消えた。
「これは・・・・緊急を要するな。
至急、王宮まで来てくれ。」
「?」
とりあえず言われるがままに動く三人だった・・・・。
つづく