=【炎の世界編】=第10話

前回のあらすじ

ビターの家に居たチャオルカ達を狙って
フレアスとその部下達が襲ってきた。
それを予測していたかのように、ヒーローの「特殊部隊」
という者達を引き連れて獣牙と名乗るも現れた。
そしてビーチャルが危機にさらされた時、何かが起きた・・・。




「!? なんだ?」
フレアスは驚いた。こんな能力の奴はいたのかと。
ビターは近くの木を操れるだけだし、
特殊部隊には能力を使える者はいないし、
ほかの三人は地下から来た者だったからだ。

―それにそいつには見たこともない木の翼を持っている。

「!!!?」
ビーチャル自身も仰天していた。
一体、自分の体はどうしてしまったのかと。

とまどっていると、後ろから何かを叫ぶ声が聞こえた。
「お前は能力に完全に目覚めたんだ!!
ただ自分の心の声に従えばいい!!」
ビターの声だった。
その声に自分は強くなったことを確信し、
フレアスに戦いを挑むことにした。

「かかってこいや!!!」

いきなりビーチャルは大胆な挑発をした。
この発言にフレアスは怒りを感じた。

―この俺がデビルだと分かって言っているのか?
この俺に勝てるとでも思っているのか!

フレアスはそう思った。
そして次の瞬間にはビーチャルに向かって飛びかかっていた。

勝負は一瞬だった。

フレアスが炎を手に宿し、ビーチャルに殴りかかろうとしていた。
しかし、あと数センチ届かなかった。
足を何かがつかんでいる。
それは木の根だった。
ビーチャルは勝ち誇ったかのように笑っていた。
そして、その木の根はフレアスを床に叩きつけた。
「グハッ!!!」
フレアスは血を吐いていた。
それでもなんとか立ち上がることはできた。
「くっ・・・撤収だ!」
そう言ってフレアスが逃げようとした時、
フレアスの体を何かが貫いた。
それはただの木の葉だった。
「うぐっ!う、がはっ!!」

―フレアスは息絶えた。

「ハーハッハッハ!」
何者かのかん高い笑い声がした。
「ククク・・・
こんな面白い祭りから逃げ出そうとはなあ、フレアス!」
残酷そうなその男はフレアスの亡骸に向かってそう言った。

ビーチャルはこの男は許せないと思った。
敵ながら、フレアスの事を哀れに思ったからだ。


そして・・・本当の意味の戦いは始まってゆく・・・。



つづく


第1話のアドレス
http://tails03.sonicteam.com/bbs
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このページについて
掲載号
週刊チャオ第34号
ページ番号
10 / 41
この作品について
タイトル
パラレル・チャオ・ワールド
作者
ドロッパ(丸銀)
初回掲載
2002年10月7日
最終掲載
週刊チャオ第86号
連載期間
約1年19日