幼き者達が仕切る町 全20話
—そういえば此処だけの話だけど、あのネズミさん達、他にも3人いるそうよ。
その人達はプロの殺し屋って聞いたわ。
たぶん負けたらその人達を貴方達のところに送るかもしれないから気をつけてね。
—は~い、愛姉さん!
2人は笑顔で返事した。
帰ろうと、すると
—いいスイカがたくさん取れたから、一番大きくて美味しそうなのあげるわね。
持てるかしら?
1人だけだと持ち上がらないが、2人だと持ち上がった。
—スイカを半分に切って、半分、半分で持っていったほうが良さそうね。
待ってて。
愛姉さんはスイカを真っ二つにきり、二人に渡した。
—気をつけてねー!
—うん!分かったー!!
これがいつもの別れの時の会話だった。
2人はスイカを背負っていたため、帰りは1分掛かった。
—黒、夜!ただいま!!
—スイカ貰ったよ^ー^!
—お、ええスイカやな~!
今日、花火あるし、縁側で食べよか!!
白と朝はスイカを冷蔵庫に入れた。
黒は町の地図を開き、侵入経路を3つ探しだした。
部屋の中は昔の農家を思わせる造りだ。
ちゃぶ台があり、タンスがあり・・・・。テレビまで古い。
—夜、朝、白。買い物行くぞ。
—は~い。
3人は返事をし、黒に着いて行った。
この4人のリーダーは黒。副リーダーが夜だ。
八百屋で夏野菜を買い、肉屋で牛肉と豚肉と鳥肉を買い、米屋で米を買い、途中で夕暮れを見て家に戻った。
料理は主に白と朝がやる。
彼らはこうして生活を送っていた。
結構な量を買ったのに合計1850円。
彼らは町の平和を守ってくれるため、結構まけてくれるのだ。
—今日は焼きうどん!と、サラダと茄子の塩もみ!
—うげ、俺茄子嫌いなんだよな~。
ポヨをグルグルにして夜が言った。
黒が注意する。
—副リーダーが情けないぞ。それに塩もみ上手いんだから。
ちゃんと食べろよ。
—・・・・・ふわぁ~い。
嫌々ながらも返事を返す。
白と朝は笑いながら料理を始めた。
黒は地図や情報を組み合わせ、さらに詳しい経路を造る。
夜は情報収集に向かう。
—朝、それ塩少ないよ。
—そういう白は焼きうどんの醤油少ないよ。
こんな会話をしながら、料理はできた。
—いただきます。
4人は食べ始めると、今日あった事や料理の味について話すのだが、今回は違う。
鼠の事についてだった。
—俺が作った作戦だと、大体は見つからずにいける。
—そや、黒。あの佐々木とかいう奴、愛ちゃんジロジロ見取ったで。
なんかCHAO質にでもするんやないかと思うんやが。
夜は焼きうどんを食べながら言った。
黒はそれもメモし、新たに作戦を練る。
結構でかくて濃い字だ。
実は黒は愛の事が大好きなのである。
眼が合うと、大体赤くなってぶっ倒れる。
—ごちそうさま。
4人は大体同じ時に食べ終わる。
夜がスイカを切り分け、配る。
縁側では、風鈴が鳴っている。
冷房はないが、此処は涼しい町のため、冷房などは要らない。
ヒュ~ どん、どん、どん!
花火が咲いては消えを繰り返している。
弟の白と朝はスイカの種飛ばしをしている。
兄の黒と夜はボ~ッと空を見つめている。
スイカが食べ終わる頃、花火も終わっていた。
—ねぇ、朝!
僕達海の近くにおうちを建てて、そこで暮らすんだよね?
—うん!この貯金箱が一杯になったら飛行機乗って海の近くにおうちをたてるんだよね
タンスの上には大きな豚の貯金箱があった。
彼らの夢は海の近くに家を建て、そこで暮らす事。
この町には川はあるが、海は遠いため、魚類は滅多に売ってない。
ので、彼らは海で思いっきり泳いで暮らしたいらしい。
黒は出来れば愛姉さんも一緒に来て欲しいらしい。
しかし、明日からの戦いの日々の事は誰がかんがえていたのだろうか・・・。
続く