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「進化」
「痛ってぇ・・・・。」
俺は昨日、チャオの本を求めて本屋を10軒回ったが、本が見つからず、更に10軒回ったのだ。
そのお陰で足は筋肉痛。まあ、無理も無い。なんせ1日じゅう歩き回ってたからな。
だが、俺の頑張りに反して、本屋にはチャオの本という本全てが売り切れ。 全く、嫌んなるぜ。
「結局、進化ってのも解らずじまいかよ・・・・無駄足だったな。」
俺はそう愚痴りながらテレビをつけた。番組は、いつもは見ないであろうチャオの育成講座番組。
本の代わりにこれで知識を増やそうというのだ。参考になればいいのだが・・・・。
「今日のチャオ育成講座は『進化』についてです。」
「おっ。」
運良く、今日のテーマは『進化』だそうだ。
「♪♪♪」
俺の横にいるチャオも、テレビに興味があるのかモニターに見入っている。俺はメモを取りながら話を聞くことにした。
「進化とは、チャオが幼体から成体になる事で、チャオが繭に包まれたら進化の合図です。尚、チャオの能力によって進化後の姿が異なります。チャオの能力は主に、泳ぐ事・走る事・飛ぶ事・力を使う事の4つで、泳ぐ事が得意なチャオは泳ぐ事に適した姿に、走る事が得意なチャオは走る事に適した姿に・・・と進化します。そして、チャオの能力を上げるのがこのカオスドライブ。黄色・緑・紫・赤と、色々な色がありますが、それぞれ別の能力を上げます。カオスドライブを使って、進化後の姿を変えることも出来ます。」
「・・・チャオの能力・・・か。」
こいつはどんな風に進化するんだろう。
テレビでは育てる側が進化後の姿を変えられると言っていたが、チャオだって自分が大人になった後の姿くらい自分で決めたいと思っているに違いない。
「・・・よし、もう1回街行くぞ。」
俺は痛い足を引きずって街へ出かけた。
目的はカオスドライブ。だが、それは俺が選ぶのではなく、チャオに選ばせるのだ。そうすればチャオも不満は無いと思うしな。
・・・そんな事を考えていると、カオスドライブを売っている店を見つけた。
「これがカオスドライブか。さあ、どれが良い?お前が選んでいいんだぞ。」
俺はチャオに言う。
「・・・・・♪」
するとチャオは、4つの色の中からある色のカオスドライブを指差した。
「じゃあ、これ1つ。」
カオスドライブを買った俺は、早速家に帰りチャオに与えてみた。
「!♪♪♪」
チャオは嬉しそうにカオスドライブを飲む。これは飲み物だったのか・・・。
「全部飲んだみたいだな。」
カオスドライブを飲み、チャオは座り込んだ。
「・・・・・・・・・?」
だが、チャオは座ったまま動かない。やがて、白い繭に包まれた。
「・・・もしかして・・・進化!!!?」
俺は『まさか』と思ったが、どうやら本当らしい・・・・。