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「無知な俺」
「んー・・・・・・」
俺がレストランに入って5分経つだろうか。だが、俺は何も注文していない。
何故かって?そりゃあメニューが決まらないから。・・・とでも言いたいが、今は残念ながら違う。
そう、俺はチャオに何を与えるのか悩んでいるのだ。・・・ってか、チャオって何食べるんだ?
「はあ・・・・。」
俺は大きくため息をついた。チャオはそんな俺が心配なのか、さっきから俺の顔を哀しそうにじっと見ている。・・・困った・・・。
「何、暗い顔してんだよ?」
すると、聞き覚えのある声が俺にむけられる。
「は?」
俺は思わず振り返った。
「あ、お前もチャオ育て始めたんだ。・・・で、さっきから何考えてんだよ?」
なんて良いタイミングだろう。俺に声をかけたのは、前、俺にチャオを勧めた友人。こいつならチャオについて色々知ってるだろう。
「なあ、早速で悪いんだけどさ・・・チャオって、何食べるんだ??」
俺はこのチャンスを逃すまいと、目の前の友人に質問した。
「はぁ??」
すると、友人は呆れた様な顔で俺を見る。何か変な事聞いたか?と不安になった。
「お前な・・・進化も知らないでチャオ育ててんのか?呆れた奴・・・。いいか、良く聞いてろよ。進化ってのは・・・」
「いや、いいや。それより、チャオが何食べるか教えろよ。俺は早くここを出たいんだ。」
俺は長くなりそうな話を断った。「進化」ってのについては、本でも読めば解るだろうし。それより今はチャオの食事の方が先決だ。
「わかったよ。・・・チャオは、木の実を好んで食べるんだ。そいつはまだ幼体だから、小さいので良いだろう。
「・・・わかった。有難う。」
俺は友人に礼を言い、木の実をチャオに食べさせた。俺もやっとレストランを出られてほっとする。チャオもご機嫌だ。
「そうだ。書店でも寄ってくか。」
俺はチャオ育成の本を買う事にした。「進化」ってのも知らなきゃならないしな。
「すみません。チャオ育成の本ありますか?」
「残念だけど、売り切れだよ。」
・・・売り切れか。じゃあ次行ってみるか。
「売り切れです。」
「今、売り切れなんだ。」
「すみませんが、今、売り切れなんです。」
「ウリキレ」
・・・・・10軒まわって全部売り切れ!?こんなんじゃ、あいつから進化の事聞いたほうが良かったな・・・。・・・ん?????じゃあ、本が無いこの間、どうすりゃ良いんだ??
・・・・・悩んでいる俺の横で、チャオはご機嫌に歩いている・・・・・