プローグ 後半
呪われた子供にチカズクナ!!
カツテの戦争の忌まわしき置き土産。
そんなものなど・・・なくなってしまえばいい!!!
呪われたタロットカード
ここシル王国にはかつていくつもの国が繁栄した。
その国々はやがで文化を築き、交流を深め新たな国として生まれ変わっていく−−−
やがて・・・シル王国には4つの文化が出来上がる。
人間、チャオ、魔法使い、妖精・・・それぞれはお互いの文化を尊重しあい、すくすくと経済力をつけていった。
しかし・・・時代には裏というものが存在した。
10年前の戦争で・・・4つの文化は激しく対立することになる。
そしてお互い縁を切った。
ダガ・・・ソノ戦争デノ代償ハ重カッタ・・・・
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「おい、ラピス。本当にこっちでいいのか?」
蔦や鶴が木々に絡み付いてまともには歩けそうもない道。
よほどのことがなければいくら方向音痴の人でも迷いこむことのなさそうな道。
「・・・・・反応はたしかにこっちだ。」
ラピスは手に持っているペンジュラムをかざす。
鎖の先端についているとがった部分は確かにそちらを指していた。
「だからって直進しなくてもいいじゃねーか。」
「五月蝿い。・・・・俺のダウンジングが外れてる・・・とでもいいたげだな。」
ラピスの声が1トーン下がる。
「そそそそそんなこといっておりまっせんっ!!!」
慌てたように訂正する。ラピスは怒らせると後が怖い。
ちなみに1度怒らせて半殺しにされたことがあるならなおさら、そのことは良く分かっている。
「オニキス。早くしろ。」
「へいへい。ついでにこの邪魔な蔦どかせ・・・だろ?」
「ほーお、よくわかってるじゃないか」
わざとらしくラピスが相槌を打つ。こんな嫌味にももう慣れてしまった。
長らく一緒にいるせいかだいたいの言いたいことが分かるというのは便利である。
気兼ねなく話ができる(といってもなかなか話が続かないのだが。)それに人間で言うアイコンタクトをいうものも出来る。
「ったく・・・人を雑用係りのように扱いやがって・・・」
ブツブツと文句を言いながら鎌を手にする。
普段背中に結えつけるあるソレは湾曲した大きな刃がキラリとひかり、死神を思わせる。
すっと振り上げ風を切るようにして振る。
ザシュ!!!
切れのいい音をたてて風の刃が目の前の蔓、いや森の木々すべてを吹き飛ばした。
小さなチャオが1人でできるとは思えない
否
オニキス以外のやつならできなかったであろう。
森の向こうに見えるはかつて最強の魔力をほこったと言われるラズリ一族の神殿。
ここから10年前の悲劇繰り返されようとするなど・・・まだ誰も考える良しはなかった。