プローグ前半
お前なんてイナクナッテシマエバイイ・・・
死神メ、チカズクナ!!
モウアノ子トハ関ワッチャダメ・・・
なんで・・・?どうしてボクを否定するの・・・?
ボク何もしてないよ・・・?
お願い!こっち向いてよ!
一緒に遊ぼうよ。そんな・・・
冷たい目で見ナイデーーー。
呪われたタロットカード
「・・・っつ。」
暗い夜の明けぬ森の中。
周りの木々は少しでも太陽を浴びようと上へとのびているのか森の中は光は皆無に近かった。
「昔の夢でも見たのか・・・?オニキス。」
小さなチャオの隣で横になっている漆黒の髪をもつ少年、ラピス。
年は15歳くらいであろうか、束ねていない長い髪の毛は無造作に地面へと広がっている。
「ぁあ・・・嫌な夢だ・・・小さい頃の・・・」
オニキスと呼ばれたダークチャオは珍しくも人間の言葉をしゃべった。
この世界で人間の言葉をしゃべることの出来るチャオはほんの一握りだ。
才のあるものでも努力なしには話すことが出来ない。
「そうか・・・」
もともと無口なのか会話は長く続かない。
しかし嫌な沈黙ではなかった。
このチャオは少なくともこの少年に心を許している。
ソレハ自分タチが同ジ境遇ノモトにアルカラ。
「もう寝ろ。明日は早い。明日はここの森を抜ける。いいな。」
もぞもぞと準備していた寝袋にもぐりながらぶっきらぼうに答える少年。
分かっている。これは彼なりの心遣いなのだ。
「ここは・・・チャオの世界に近すぎる。」
続く?