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なんなんだろう。一体、僕は何のために向かっているんだろう。
「僕ら、できることをやれればそれでいいんチャオ?」
隣にいるチャオが僕に話しかける。
「だけど…自信が無いチャオ。分かっているのは、自分が向かう先だけチャオ」
自信なさげだと自分でも思う。
あの銃は拾った。マンションの下で襲われた、あの男が二丁持っていたんだ。
ちゃんと見えていたけど、あの人には言わなかった。それどころか、何も知らないことを装った。
二人で認知している。僕らは、ちゃんと知っていた。
あの人は優しかったんだ。だから助けてあげた。
あの逃げ回る様子からじゃ、絶対にあんな行動を起こさない。
不思議と、勇気が出る。
エレベーターまで着いた。手にはクモの死骸。なぜかは分からない。
警官は既に何人か殺されている。この街の警察はなぜか大人数。
どんどん駅前に向かっているのが見えた。
エレベーターの中に入り、ちょっと銃を取ってくると隣のチャオが出て行った。
閉めるを押して、じっと待った。手にあるクモの死骸を見る。
押しつぶされたような後。きっとあの人が潰したんだ。
いろんな視点から見ても、あの人は悪くない。操られている、ということが直感でわかる。
しばらくして、エレベーターのドアが開いて隣のチャオが来る。
「はい、君も必要になるチャオ」
そういって、僕の手には銃が一丁握られた。

ガーデンに着く。誰もいないことを確認し、ミスティックルーインにゲートで向かおうとした。
木の陰から一匹出てくる。
「同種を食い殺せる…。やっと、食料にありつけたんだな俺は」
あのチャオだ。間違いない。発している言葉からも感じ取れる。
クモの死骸を地面に叩きつけ、銃を構える。そのチャオに向かって一発。
「お前らに…知能が…」
あっけなく沈んだ。同時に、もう一匹が出てくる。
出てきた瞬間に撃つ。これもあっけなく沈む。どうしてだかわからない。チャオは体が小さすぎて、食料の確保も部品の確保もできないのだろうか。
あの人が部品を体内に取り込むと言ったが…食料にするためでもあるし、何かに必要なことでもある。
チャオの体から人間の手が出掛かっている。攻撃のためであるとわかり、その場から退いた。
感じた。
瞬間、クモが二匹のチャオから出てくる。
一匹ずつ。結構でかい。瞬時に撃ったのもあり一匹は倒せたが、もう一匹は逃げ惑う。
チャオに二発、クモに一発。恐らく後三発だろう。隣のチャオは困惑しているのか、一発も放っていない。
狙いを定めずに撃った。相手が早すぎる。
困惑している隣のチャオが、口を開く。
「こいつらは臆病チャオ…。ちゃんとした解決の仕方があるに違いないチャオ」
チャオが喋っている間に、攻撃を仕掛けてきた。
既に持ち弾は無い。糸を吐いてきたクモに向かって銃を投げつけた。
糸はそれに引っかかり、どんどんと塊にしていく。
その瞬間、隣のチャオが引き金を引いた。二匹のクモの殺害は終わった。
「これでは終わらないチャオ…。次のクモが動く日、その日が終焉の日チャオ」
殺害が終わり、エレベーターで下に下りる。
駅前は酷く静かな状態になっていた。
駅の前の階段で、あの人は立っていた。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第218号
ページ番号
6 / 7
この作品について
タイトル
「人間クモ」
作者
Sachet.A
初回掲載
週刊チャオ第218号