5話 わしがチャオの神様じゃ
そして翌日
「ひょへ~~~!!!」
隣の部屋で変な叫び声がした。ソーカー達の部屋だ。(ソーカーは210号室,僕らは211号室なのです)
チャドラさんが涙を流しながら電話をかける。
泣いているので良く解らないけど、どうも(僕は電話を使うのが夢だったんです・・)とか言っている。
僕はソーカーの部屋に飛んでいこうとしたが,僕にはヒコウがそれほど無いことに気づき,しかたなく歩いていった。
ソーカーの部屋は扉が半開きになっていて,誰でも入れた。
(無用心なのか,馬鹿なのか,それとも今朝あけたのか。それは誰にもわからない。後者ではないことはわかっているが,)
僕はソーカの部屋に乗り込んでいった。(部屋の光景からして,ここは乗り込むと言う言葉が正しい)
そこには変なチャオとその下に踏み潰されているソーカーの姿があった。
「ワシガチャオノカミサマジャ」
僕は驚いていた。変なチャオがさっき「自分がチャオの神様だ」と言ったのだ。
チャドラさんも踏み潰されたソーカーも驚いていた。(コクゴノジカンはどこだろう)
困ったな、これで終わってしまうのこの話?
だってチャオノカミサマを探す話だろこれ
それじゃこの話を読んでいる一億人の読者の皆さんに申し訳無いじゃないか。
変なチャオ(自称チャオノカミサマ)が口を開いた。
「それではなぜ私がここに居るのか教えてあげようかの」
それは実に壮大なスケールの物語だった。
むかーしむかしあるところに,ヒーローチャオと,ダークチャオが住んでいました。
ヒーローチャオは山へ芝かりに・・・じゃなくって
ヒーローチャオとダークチャオは戦いをしていました。
でも,仲良くしたいと言うチャオ達も居ました。
そこでチャオノカミサマがやってきて,新しい世界を造り,そこでチャオは平和に暮らしましたとさ ちゃんちゃん
そうはなすチャオを僕はじっと見た
卵みたいにまん丸な緑の目
青く透けた手
ポヨは無い
僕は学校で習った生物の授業を思い出す。
すぐ、「ポヨがある=チャオ」と言う公式が浮かんできた。
これはぷろふぇっさータカダノババアの授業だ
「でもさぁ」
チャドラさんの声がする。
いけねえ 話聞いてる途中だった
僕は頭を教室から現実に引っ張り出す。
「それでは意味不明ですよ」
チャドラさんの言う通り
へんなのは
「ノゥノゥノゥ 話は最後まで聞きましょーね」
「どっかにひどく頭打ったんじゃないの」
僕はチャドラさんに小声で言う。
チャドラさんはぶんぶんと首を縦に振った。
「あのね、さっきから邪魔 そこどけよ」
ソーカーが怒鳴る。
ソーカーは変なのの座布団になっている
「コクゴノジカンなんて名前をつけるからだ!」
変なのが怒鳴り返す。
変なのはしゃべり出した。
「ある世界に悪いことをたくらむ奴が居ての、わしはそのチャオ達につかまってしまったのじゃ」
間抜けなじいさんだ。
「それでわしはパワーの源であるポヨを奪われてしまった」
「そしてわしは封印されてしまったのだがの、昨日運良く脱出できた」
「脱出したわしはこっちの世界の卵を産みそうなチャオを探し出し、そこから産まれた。
この姿になるにはしばらく時間がかかると思っていたんじゃが、たまたましなしかけのチャオが近くにいたのでその力を分けてもらった。
それで突然ここに現れたわけ」
チャオノカミサマの短い説明が終わった。
僕は一番気になることを訊いた。
「あの~進化しかけてたのって僕じゃ・・・」
「その通り 正解者に拍手」
パチパチパチパチ
「つまり一生進化できない?」
「まっ、そうでしょ」
僕の顔が青白くなるのを見て、チャオの神様が慌てて付け足す。
「子供のほうが可愛いよ」
「そんなことよりさ、願いをかなえてよ」
これはソーカー
「だーかーら、ポヨが無いと無理無理」
「それじゃあどうすればいいんですか?」
チャドラさんのまともな質問
「そりゃあ悪い奴らからポヨを奪ってくればいいんでしょ」
やっぱり
「だいじょーぶだいじょーぶ」
「君みたいなカッコイイチャオなら悪い奴らもイチコロだよ」
チャオの神様のあきらかに「他人事だからどうでもいいや」って口調
まあここまで来たらしかたないか
「それで、どうやっていくんですか?」
「簡単簡単 それではいってらっしゃーい」
チャオの神様が言うと同時にいつのまにか、足元には大きな穴があいていた
チャオの神様の声が遠くなっていく
穴に体が沈んでいく
ソーカーとチャドラさんは上がろうともがいている
「ホテル代、自分で払ってね~」
ソーカーの言葉にチャオの神様の顔が青白くなる。
僕の意識も消えていく
「おい起きろ!このクソあほども!!」
う、うーーーん