3話 神の居場所

と,言うわけで,チャドラさんちについた。
しっかしそれにしても
「汚い家だねぇ」
「ほんっと汚い!!!!ものすごく汚い!!!!!ここ,ほんとに家か?!!!!!」
ソーカーは大声で叫んだ。
「何もそんなに大きな声で言わなくても・・・そこいらじゅうに聞こえるじゃないですか」
チャドラさんがそう言うと,ほんとに近所のおばさんチャオが出てきた。
「まったくうるさいよ!ぼろい家のチャドラさん,静かにしておくれよ!」
おばさんチャオは帰っていった。
「ぼろい家のチャドラさんでとおっているんですか?」
ソーカーの無神経な言葉で,チャドラさん,心も家も傷ついちゃったみたい。

チャドラさんが口を開いた。
「今日やっとチャオノカミサマの居場所と思われる場所がわかったんです」
僕達の間に衝撃が走った。
「ほんまですか?」
ソーカーが聞いていた。
「ほんまです」
そういうと、チャドラさんが地図を出した。
「何ですか?」
「つまりこれにチャオノカミサマのいる場所の候補地が書いてあるんです」
「ほお」
「チャドラさん,一緒に行きますか?」
「ぼろい家だからいつ崩れるかわかんないしなー」
・・・
「ソーカーのせい、だよ」
僕は小声でソーカーに言った。
ソーカーは言った。また大きな声で
「じゃあ明日の朝、行こうね!」
「ちょっと可愛く言っても無駄だよ」
「出場することに意義がある このぼろっちい腐ったカビの臭いのぷんぷんする家にいることも意義がある」
「何が言いてえかわかんねえよ!」



次の日・・・

僕達は朝早くからおきて,出かける準備をしていた。
行き先はもちろん,チャドラさんの地図に載っていたところだ。
この様子だとチャドラさんもついてくるらしい。
誰も一言も話さず黙々と準備する光景はちょっと怖い。
やはりこれもすべてソーカーのせいだ。
僕達の間の,さわやかな朝の空気には,エミーのピコハン並みの重さがあった。

準備が整うと,僕らは出発した。
朝ご飯のチャオの実を買ってから,また,あの地獄の階段を上った。
ゼエゼエハアハアいいながら上った先に飛行機があった。
4匹のりのプロペラ機だ。
「これが僕の飛行機,ソーカーグレートゴールデンスーパースートーム三世だよ」
ソーカーが言った。

ソーカーは操縦席,僕とチャドラさんはその後ろの席に乗って,ベルトを締めた。

ブウウウウウウウンン ボッカーン
急な加速
体がぴったりと座席に押さえつけられる。
顔の正面からどんどん空気が逃げて行く
くっくるしい

いつ飛行機が浮かんだかなんてわかりゃしない
飛行機がスピン
そのまま上にねじれてよこが…あああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ
周りの風景が固定されない。
ジェットコースター以上に怖い乗り物だ
何が起こっているのか脳内で理解できていない
三半規管に狂いが生じる
風圧で顔がゆがむ
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
何かの悲鳴とともに僕の思考は飛んでいった

このページについて
掲載号
週刊チャオ第112号
ページ番号
3 / 10
この作品について
タイトル
願いをかなえるチャオ!
作者
チャピル
初回掲載
週刊チャオ第110号
最終掲載
週刊チャオ第123号
連載期間
約3ヵ月2日