5話 ギャラクシーの意地

何の記憶もなく 5話 ギャラクシーの意地

「ってなわけだ。記憶、多少戻ったか?」
「全然」
と、チャオガーデンに戻りながら二人は会話する。レッドメアも、そう簡単に記憶が戻るわけないか。と思った。

「レッドメア!今日こそお前を倒して俺がガーデン1強いチャオになるっ!!」
ガーデンに入るなり、アメジストのチャオがレッドメアに勝負を挑んできた。彼は、ガーデン内で2番目に強いギャラクシーである。

「あそう」
「だから俺と戦えー!」
「へいへい。わかったよ」
レッドメアは嫌そうに答える。するとギャラクシーは
「今度はチャオカラテで正々堂々とやろうじゃねぇか」
と言う。レッドメアは
「ん~?俺が、正々堂々とやらない時なんてあったかい?」
「あったじゃねぇか!!楽器とか使いまくってよ!!」
ギャラクシーが怒鳴るが、レッドメアは上手く聞き流す。

「まぁいいじゃねぇか。チャオカラテの会場に行くぞ。コラ、少年。寝るな」
と、シンバルで少年を起こす。三人はチャオカラテ会場に向かった。

~チャオカラテルール~
・ 基本的に武器を使わなければ良い。
・ 違法な手段を使うとファール。ファール10回で失格となる(普通ファールは取られることがない)
・ 完全に戦えない状態、場外に出る、ファール10回になると敗北。

「ってなわけだ。ギャラクシー君。わかったかい?」
「うむ。ってか、ファールなんてあったのか。ファールなんているわけが…アッ!?」
「ファールとは俺のためにあるんじゃねぇの?」
レッドメアが自慢気に言う。ギャラクシーは不吉な予感がした。

「試合開始っ!」
審判のオモチャオが旗を挙げた。

「フッ。一歩でも動いてみな。地獄が待っているぜ」
「は?お前にそんな技……のあぁぁ!?」
ギャラクシーが前に一歩踏み出すと、びっくり箱が地面から飛び出てきた。ギャラクシーは驚いて飛び退く。そして、またびっくり箱が出てきて、飛び退いたら…と何度も同じ事を繰り返している。

「レッドメア選手、ツーファール!!」
「ツッツゥ!?」
レッドメアが驚く。ギャラクシーはとても疲れていて、むしろファイブファールにしろと思っていた。

「まだ7回分あるな」
「待て待て。そんなにやったら俺の体が…」
「それなら、早く俺を倒すんだな」
「ちきしょー!棒銀ナックル!!」
ギャラクシーがレッドメアに左パンチを何回もする。レッドメアは、それを後ろに飛び退き避ける。すると、レッドメアが場外すれすれの所まで追いつめられる。

「ふむ。お決まりのパターンか」
「とどめだ!飛車打ちーー!!」
「秘技!シンバルガード!!」
レッドメアはシンバルを素早く取り出し、ギャラクシーの右パンチをガードした。勿論ファールである。

「反撃開始!シンバルナーックル!!」
「グアアアアアアッ!!」
レッドメアは、シンバルを持ったままギャラクシーを殴り飛ばした。またファールである。

「あぁ~あ。またファールか」
「ちっ。ならばこいつを」
と、ギャラクシーは審判のオモチャオを掴んだ。

「やっやめろチャオ~!!お前にはファイヴファールチャオォォォ!!」
「どーりゃー!!」
ギャラクシーはオモチャオをレッドメアに向かって投げる。レッドメアはオモチャオをキャッチして降ろした。

「ふぅ。助かったチャオ~~。ギャラクシー選手にはさらにセブンファールで失格チャオ~!!」
「なにぃ!?」

このページについて
掲載号
週刊チャオ第123号
ページ番号
6 / 8
この作品について
タイトル
何の記憶もなく
作者
スマッシュ
初回掲載
週刊チャオ第118号
最終掲載
週刊チャオ第125号
連載期間
約1ヵ月19日