4話 ヒーローガーデンの戦い

何の記憶もなく 4話 ヒーローガーデンの戦い

「さてさて、ヒーローガーデンだ。やけに明るい。俺には合わん。が、ダークガーデンはいるチャオが嫌いだ」
「それで、チャオガーデンに住むしかなくなったと」
「はいはい。そうですよーだ。いじいじ」

「師匠!おはようございます!」
逆立ちしたヒーローチャオが寄ってくる。実に奇妙な光景である。
よく見ると、全員が逆立ちやらヨガやら、柔道やらやっている。奇妙なのにもほどがある。

「師匠!今日は何をするのですか!?」
「ん~~。そうだねぇ。んじゃあコイツを倒せ」
「お、俺!?」
レッドメアはそう言った瞬間逃げ出した。それをヒーロチャオ達が追いかける。

「ん?待てよ…」
レッドメアがこの状況を突破する方法を思いついた。そして、少しずつ方向を変えながらボールを掴む。

「シューット!」
レッドメアがボールを思い切り蹴り、ヒーローチャオの顔にぶつける。ヒーローチャオ達は、ボールに向かって走り出した。

「だっはっはっはっは!所詮はチャオだ!」
「お前もだろ」
少年がレッドメアに言う。レッドメアは自分の頭をつついて、他のチャオとは頭のできが違うというジェスチャをする。

ドガッ。レッドメアの顔にボールが当たる。
「あいつら!!絶対許さーん!!」
レッドメアがボールを掴み、ヒーローチャオ達に向かって走る。それを見て少年は
「結局、頭のできは同じじゃんか」
と呟いたのだった。


「ふっ。このボールだけで全員気絶させたぜ」
数分後、レッドメアが少年の方へ戻り、言う。確かにヒーローチャオ達は気絶していた。
「待ちなさい。まだ勝負は終わってないですよ」
ヒーローカオスが立ち上がる。レッドメアは、そのヒーローカオスを睨んだ。

「どうです?次は音楽で勝負です」
「!?…まぁ、受けて立つ」
「お前、音楽苦手だろ」
「うむ。しかーし、このレッドメア様が負けるとでも?少年」
レッドメアは自信満々でヒーローカオスの方へ向かって歩く。

「んじゃあ、審判やるぞぅ」
少年が言う。二人は頷いた。

「んじゃー、まずヒーローカオスのエクレアン」
「はい!ランランラン♪ラーンララリンラン♪リンリンランラーン♪」
その後、数分エクレアンは歌っていた。レッドメアは余裕そうな表情でニヤニヤと別の方向を向いていた。

「フハハハハハッ!その程度のおけいこで教わる歌など、高得点になるわけがないだろうが!!」
と言い、歌を歌い始める。皆の予想通り、音痴だった。

「フッ。今のはちょっとした前奏さ。次からが本番だ」
と、再び歌い始める。すると、先ほど音痴な歌を聞いたせいか、凄く上手く歌っているかのように思えたのだった。結果はレッドメアの勝ちだった。

「あぁぁぁあぁ。最初に音痴な声で歌えばよかった…」
と、ヒーローカオスは後悔している。そんなガーデンをレッドメアは逃げるようにして出て行ったという。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第122号
ページ番号
5 / 8
この作品について
タイトル
何の記憶もなく
作者
スマッシュ
初回掲載
週刊チャオ第118号
最終掲載
週刊チャオ第125号
連載期間
約1ヵ月19日