3話 化けガーデン
何の記憶もなく 3話 化けガーデン
「で、チャオはこれだけなの?」
「このガーデン以外にも、ヒーロー、ダークガーデンがあるんだ」
「話しがかみ合ってないよ?」
「ちゃんと最後まで聞け。そこにもチャオがいるんだよ」
「へぇ…じゃあ行こうか」
と、レッドメアを持ち上げてガーデンの外へ。
「まずは、ダークガーデンだろぉ」
レッドメアの指示通り、ダークガーデンに行く。入ってすぐ現れたのはガイコツを被ったチャオ。
「お化けはお化け。キャンプファイヤーしててもお化け」
と言っている。レッドメアは、だからなに?という表情で見ている。
「てやぁぁっ!!」
少年はガイコツを蹴る。彼の蹴りはチャオ本体には当たらず、綺麗にガイコツだけが砕ける。そのチャオは、痛みは感じなかったものの、恐怖で気絶してしまった。
「ぬぬぬ…?ここは毎日ハロウィンなんか?」
辺りはガイコツやらカボチャやらを被ったチャオばかり。中には足がないチャオすらいる。
「正確にはー。お前が記憶を失う前にしたんだよ」
「うっひゃー。奇妙な事をするもんだなぁ」
「まぁな(同一人物かさえ怪しくなってきてるぞ)」
「グエッヘッヘッヘッヘ。恐怖のダークガーデンへようこそぅ」
ガイコツを被った足がないチャオは、マニュアルと書かれた本を見ながら二人の背後で呟いた。
「うむ。今更遅いぞ。しかも、マニュアル見ながら言うなよ。マニュアル通りですってか?」
「はい。そうです」
レッドメアの質問に、そのチャオはあっさりと答える。レッドメアはラッパでガイコツを叩き割る。
「で、来たはいいけど何をするのさ」
「だな。帰るか」
「待った待った待ったー!」
と、カボチャを被ったチャオ二人が入り口を塞いで言う。
「君達。タダで出られると思っているのかね?」
「思ってるから出ようとするんだろが」
「ここからは隠れん坊で1分以内に8人全員を見つけないと出られないのだ!!」
「ほぅ。その挑戦、受けてやろう」
少年とレッドメアは同時に言う。チャオは飼い主に似るのだろうか。
隠れん坊がスタートする。レッドメアはシンバルを取り出した。
ガシャーン!素早く笛に持ち替え、穴を一個も抑えずに思い切り吹く。
「のあぁああ!!」
4名があまりのうるささに出てきて気絶する。残り4名。
「とうっ!!」
少年は巨大な木を思い切り殴る。木は大きく揺れながら数cmへこみ、チャオが3名落ちてきた。
「残りはどこだっ!?」
残り時間が少なくなってきたが、あと一名が見つからない。そういえば、レッドメアも見つからない。
「楽勝」
レッドメアが、最後のチャオの頭を引っ張ってガーデンに入ってきた。そう、彼はガーデンの外にいたのだ。
「いいか?隠れん坊なんて、俺様にさせんじゃねぇぞ?今度やろうとしたら太鼓で一人ずつ潰すぞ?」
レッドメアが帰り際にそうお化けチャオ達に言ったのだった。
「うっし。次はヒーローガーデンだな」
「4話に続く!だね!」
「なんだそれは」