第2章-5-
第2章-5-「飲んだくれ」
あっという間に朝は過ぎ昼は過ぎ、遂にパーティの時間になった。
チュジュキ「チャロウ君。私は先にいってるからね」
そういってチュジュキさんは部屋を出ていった。
部屋には俺とメガ、そして真っ赤な顔で酒の入っていた瓶を片手にもった男がベッドで倒れていた。
メガ「俺達もそろそろ行っとく?」
チャロウ「行っちゃいましょう!」
扉を開け部屋の外に出たあとに俺はあることに気づいた。
いつもポシェットにいれてる財布を部屋に忘れてしまった。
チャロウ「財布とってくるから先行っててくれ」
メガ「遅れんなよ~」
俺は駆け足で部屋に向った。
チャロウ「あれ?さっきの人・・・・・」
扉を開けると、部屋には誰もいなかった。
さっきいた飲んだくれの男がどこかへ消えてしまっていた。
男の寝ていたベッドの布団には男の体の型がついたシーツがそのままで、動いた形跡はないかのようだった。
ほんとに、男の体だけが消えてしまったかのように・・・・・
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俺がパーティに出席したのは始まる5分前くらいだった。
メガ「チャロウ!遅いぞ!」
チャロウ「ごめんごめん」
あの後財布をさがすのに時間がかかって、ようやく見つけたのがいまから5分前だった。
チュジュキ「間に合ってよかったですね」
チャロウ「はは・・・・・」
苦笑してみせる。
電気が消えたかと思うと、俺達の背後の舞台にスポットライトがあてられていた。
「皆さん。今日はこの『ハート城』にお集まり頂きありがとうございまし」
昨日のバイトの取り締まりをしていた老人だ。
「では皆さん・・・・・楽しいパーティタイムのはじまりでし」