~19巻 新技伝授1~
風が舞い降りたかと思えば冷たい目が光ったゲールグだった。
『久しぶりね。』
そう言うと、軽く手を振ったゲールグ。
『・・・なんの様だ。』
さっさと用件をすませたいヴィーズ。
『冷たい態度ね。 折角武器の開発と技の開発が進んだから教えに来たのに。』
フフッ・・・と微笑するゲールグに、ティカチャルとチャロは吃驚していた。
会うのが初めてなのだ。
『・・・・・は、初めまして。』
おどおどどゲールグに挨拶するチャロ。隣のティカチャルは、ただゲールグを睨んでいるだけだった。
・・・・・コイツ・・何か引っかかる・・・
『で、武器は誰にくれるんだ?』
一番最初に口を出したライン。 隣でヴィーズは『ぉぃ、イキナリそれかっ』と突っ込んでいた。心の中で言ったつもりが、手にだけは現れていた・・・ ラインのお腹にヴィーズの手がチョップされていた。
口をぁあ・・・と開けるチョコ。 チャロは、えぇっと驚いていた。 クールなキャラがこんなキャラになっていたからだ。
『ヒ・・・ヒーリング・・!』
急いでチャロはラインの手当てをした。 サンキュー。とラインは声を掛けた。
その時。ブゥゥン・・・と静かな音と共に光がチョコの前に現れた。
『ぇ? な、なんでしょう・・?』
焦ったチョコ。自分の手元に光が集まっていたからだ。
『チョコ。貴方は光を操るのよね?』
『ぁ、はぃ。』
手元の光を気につつ答える。
そのリングは、光をより早く寄せ集めるモノょ。 開発した1つの武器よ。
『・・・ありがとうございます・・・』
ゲールグの声はどこからかともなく響いていた。 何処にいるのか、全然解らない状態だ。
フゥンッ・・・・ 光は・・・ティカチャルの元へ。 ぱっと変わった・・・自分の弓にキラキラと輝いた、光のような宝石がついている。
『その宝石はスピードダイヤ。 何事も早くなるはずよ。 その弓についている場合、矢のスピードが速くなるわ。』