~第11巻 町を出る時~
ヴィーズ・ライン・チョコは、各自やりたいことをすませた。
待ち合わせ時間より2分、3匹はあつまった。
ヴィーズ『2人も・・揃ったな。』
ライン『おぅ!!』
チョコ『はぃv』
再びヴィーズは大門に手を掛ける・・・
『じゃな。』
3匹の背後で声がする。
リーズだ・・ヴィーズの親友の。
ヴィーズ『元気にしてろよ。』
リーズの顔を見ぬまま喋る。
リーズ『お前も、元気にしてろよ。 んでもって・・・ この世界を救ってくれよ。』
リーズの目線はヴィーズの足下にある。
・・・・・一番最初の友達・・・ ずっと一緒にいた。
・・・・・折角逢えたのにな・・ また離れるのか。
・・・・・母さんと一緒か・・・ また逢えるだろうけど。
・・・・・ずっと一緒にいたい また逢えるか解らないから。
ふっと頭をよぎる文字。
ヴィーズ 『俺は・・・ マイナス思考・・じゃないよな・・ なりたくない・・』
大門に掛けた手をふるわせた。 ヴィーズの放った言葉は誰にも聞こえていない。
夜に煌めいた二つのダイヤ。 もう・・同じモノは世界の何処にもない。
・・・ヴィーズの涙だから・・・
チョコ 『大丈夫ですか・・・??』
そっと横で話しかける。
リーズ 『また逢えるよ・・・ 絶対。』
お前は弱くないから。
そっと、ゆっくりと話しかけた言葉。 ヴィーズの心にはどう響いたか解らないが、元気づけられたのは確かだ。
大門に掛けた手に力を入れ、門を開ける。
チョコは薬屋に礼を言い、ラインは片手を上げ皆に合図する。
ヴィーズは、最後に言った。
『サンキューなっ。』
夜にミィサリーに響いた勇者の声。 また旅が始まる・・・