~第8巻 将来の夢を誓ったブランコ~
ミィサリーから出ようと、ヴィーズは大門に手をかけると・・・
チョコ 『あのー・・・ ココ折角医療が発達しているので、薬とか買ってきて良いですか?』
右にいたチョコが口を開く。チョコがヴィーズに行ったのを聞いたのは左にいたライン。
それなら俺もと口を出す。 が なにするか考えていない。
ライン 『なら俺は。。。。散歩するかな。』
息抜きは大事だとヴィーズは考えたが、先に何があるか解らない。 そこで3人は夜の9時、ミィサリー南大門で約束をした。
チョコ『時間が余ったらお茶でもして時間つぶしてますね。』
ニコッと笑い、手を振りつつ人混みに紛れる。
ヴィーズ『気を付けろよっ!!』
チョコの背中に叫ぶ。
チョコ『はいっ!!』
振り返り、笑顔をみせ、手を振る。
それをみて安心したヴィーズの肩に手が乗る。
ライン『俺はゲームとか買うからなー・・・』
ヴィーズ『やる時間ないよ。 多分・・・』
『そっかー・・・残念だなー・・・』と言うと、のんびり歩き出すライン。 そこにヴィーズは
ヴィーズ『ゲーセンでやってくればー?』
とアドバイス。(?)
ライン『おぅ!!』
ラインは走り出した。
暖かい風が吹く。 そしてヴィーズは歩き始めたが、ヴィーズの行き先は無い。 別に行く所など無かった。
ヴィーズは1人、日の当たるブランコに乗った。
ブランコに乗るのは久しぶりだ。 ブランコには思い出があった。勇者になる前、プリン好きのリーズ・シィリンと、将来の夢を語った場所だ。
―――――――――――三ヶ月前――――――――――――
ヴィーズ 『俺はー・・・・ 勇者になりたいな・・』
リーズ 『オレは、将来お前を一番理解してるヤツになる!!』
リーズの言葉に唖然としたヴィーズ。 リーズはヴィーズが唖然としているのに、ニコッと笑いかけている。
ヴィーズ『その将来の夢はすぐ叶いそうだな。』
空を見上げて微笑みながら言った。
リーズ『じゃぁ・・・ オレは宇宙飛行士になるっ!』
ニカッと笑い、『宇宙の写真、送ってやるよ!』と付け足す。
ヴィーズ 『お前ってさー・・・ オレのことばっかじゃん。』
リーズ 『一番の友達なんだからさっ!!!』
一番の友達・・・・ヴィーズには今まで居なかった。 そんなこと考えてなかったから。 でもリーズがあんな事言ってくれたから答えてやった。
――――――俺もお前が一番の友達だと思ってる。―――――
と。 リーズはへへへ・・・とテレながらブランコをこぎ始めた。
その三ヶ月前と同じ風だ・・・・ アイツに逢えそうな気がする・・・
『お前・・・・は・・・』
懐かしい声。 母親でも無い声。父親か・・・? いや。違う。声の主の方に顔を上げた・・・
―――――――リーズ・シィリンだ・・・・
ヴィーズ『何でココに居るんだよっ!!!』
リーズ『お前知らなかったっけ? 俺もあの虹色の壁に入ったんだ。』
――ヴィーズが光の剣を抜くその前・・・
ヴィーズとリーズは、『ルンルン♪デザートリ』に行く約束をしながら帰った。 その途中で、七色の壁に確保された。
その際、ヴィーズは勇気を出し、七色の壁に向かった。
その時一緒にいたリーズは、ついて行った。
が、
落ちたときにはヴィーズと離ればなれになったのだ。
ヴィーズは、リーズが一緒に行ったことを知らない。
リーズは後ろにいたからだ。
ヴィーズ『なんであのときと同じ風が吹いたんだ・・・?』
リーズ 『実は・・・ 俺が落ちたところは風の神殿だったんだ。落ちたときに、怪我をして血が出たら、神殿の主が「その血と交換に風使いの権利をやる」って言われてさー。 傷口からでる血だけで良いからってさ。だから交換してやったんだ。』
その風邪使いの能力で、懐かしいあの風を吹かせたという。
ヴィーズとリーズは、2人でいろいろなことを話していた。
他にもやりたいコトがあったヴィーズは終わりを示すようにリーズに頼み事をする。
ヴィーズ『一緒に旅をして欲しい。』
冷たい風が吹く。リーズの力ではないらしい。
リーズ 『悪い・・・・一緒には行けない。』
ヴィーズは唖然とする。 ずっと一緒にいたのに・・・裏切られた気がした。 だが、それは一瞬のコトだった。
ヴィーズ『そうか・・・じゃぁな。 がんばれよっ!!』
リーズに背を向け、ヴィーズは走り出す。
―――――――アイツ以外にも仲間はいるっ・・・
そう思っても諦めきれなかった。ずっと一緒にいたヤツだから。
将来の夢を誓ったヤツだから・・・・
ヴィーズ 『アイツにはアイツにやりたいことがあるんだ・・・』
そう思うとヴィーズは、町の中を探索し始めた。