~第7巻 仲間を助けるため戦う~

ヴィーズ『お前は・・・・!!』
 ヴィーズはこんな大袈裟に言ったが、会ったのは氷角だった。
氷角『久しぶりだなー。』
ヴィーズ『昨日会ったばかりだろ・・・』
氷角『そうか? 思い出せない・・・・』
 ヴィーズは言葉にはしなかったが、記憶喪失か!? と突っ込みたかった。

氷角『さっき転びましたね?』
 イキナリ話をそらしてくる。
ヴィーズ『は?』
 体には傷、ドロ1つ付いていない。
氷角『見てましたよ・・・・』
 着いてきたとしか思えない口調で、グフッと笑っている。
 ヴィーズは唖然として、氷角を見ていたが、抱えていた2人の重さが腕にかかると、ミィサリーへ急がないといけないことに気づいた。氷角はそれも知っている。見ていたから。ゲールグとのやりとりも見ていた。 氷角は、目を瞑り、右腕をミィサリーの方向へ指す。 そして、急いでください。とアイコンタクト(目の合図)をとる。

 サンキュ・・・・

 ヴィーズは走る。『2人を助けたい』と思うその一心で。

 花を匂いがする・・・・ 住民の声が賑やかだ・・・
 ミィサリーに着いた。 ヴィーズが足を踏み入れると・・・住民の足が止まった。
ヴィーズ『俺は怪しいヤツじゃない。 あるヤツにやられた2人を運んできただけだ。ココは医療が発達していると聞いた。』
 
 住民達は、その言葉に安心したようで、みんな、ヴィーズから視線を離し、やることをやった。
 『すいません、病院は何処ですか』と聞けばわかりやすく教えて貰ったし、『水を少し下さい。』と言えば、1リットル瓶に入れてくれた。
 
 病院にはいると・・・看護婦らしき者が院長を呼んできた。
ヴィーズ『この2人を直して欲しい。』
院長『何故だ。そんなに2人が大事か。』
 普通に、すんなりとは直してくれないようだった。
 ヴィーズは2人が大事だった。ラインは心細かったヴィーズを元気づけてくれたし、チョコは傷が付けば、進んでやってれた。ヴィーズは勇者だが、勇気に満ちあふれ、孤独さえない絵本に出てくるヤツのような勇者ではなかった。
 勇気はないし、孤独を抱えてた。そんなヴィーズに2人は大切な人だった。
ヴィーズ『大切な仲間だ・・・だから。助けてくれ・・・』
院長『そんなに2人が大事なら。その大事さを伝えてみろ。俺に勝ったら・・・助けてやる。』

 ヴィーズは躊躇いもなく攻撃態勢に入る。2人は看護婦にベットで横にさせておくように頼み、ペンダントを握りしめた。
 
ヴィーズ『仲間を助けるため・・・勇者として悪を消すため・・・今己の力を借りて悪へ近づく・・・その為に・・・力を・・・』

 ヴィーズ自信も知らない言葉を放つ。ペンダントはゲールグの時と同じように光を放つ。

 院長はメスを投げてくるが、それを軽々とよけ、印を組む。
ヴィーズ『俺はお前にダラダラつきあってる暇はない!! コレで決める・・・・!!金色の龍よ!今姿を現し、力を放て!!』
 
 ――――――ドラゴン・スプラッシュ!!―――――――

 ドカーンッ!!凄い音だ。 その音の割には周りに被害はない。
 ヴィーズは病院だから、被害を出すことにはしなった。
看護婦『院長!!』
ヴィーズ『コレで看てもらえるんだろ?院長。』
院長『あぁ・・・・看てやる。おい!2人の状態を元に戻せ。』
 ラインとチョコが運ばれていく・・・
 それをヴィーズはずっと見て、終わるまで椅子に座り、考え事をしていた。

――――俺が言ったあの言葉・・・一体誰が・・・俺は覚えてなんか居ないのに・・・――――

 『それは貴方の本能が作った、貴方だけが使える呪文よ。』
 暗い廊下に聞いたことのある声が響く。
ヴィーズ『ゲールグ・・・・』
ゲールグ『そのペンダント。役に立った?』
ヴィーズ『あぁ・・・ 金色の龍が出てきた。』
ゲールグ『貴方は・・・ そのペンダントに“金色の龍”と思われているのね。』

 このペンダントは、持つ人によって何が現れ、どんな者が出てくるかが異なる、その人に最適なペンダントらしい。

 2人は色々話し、一時間ず経ったコロ。。 2人がきた。
 ラインとチョコの2人が。 2人とも外傷はないようで、あの院長によって、内傷もばっちり治ったらしい。

チョコ『心配かけてゴメンなさいっ』
ライン『よっしゃ、強くなってアイツに勝とうぜ!!』
 ゲールグは2人を見るとフッと笑い、頑張ってね。とエールを送ると病院を出てった。
ヴィーズ『よし・・楽しくなってきたじゃねぇか・・・行くか。 ライン、チョコ!!』

このページについて
掲載号
週刊チャオ新春記念特別号
ページ番号
7 / 21
この作品について
タイトル
ナナイロノバトル
作者
すたぁ(夕麻神流,梨紗☆浩生)
初回掲載
2003年11月7日
最終掲載
週刊チャオ第109号
連載期間
約4ヵ月29日