3話 無くなる境目
無限大の増殖 3話 無くなる境目
「へぇー…オニキスチャオの件の対象法として、チャオVRか…」
チャオVR。架空の空間でチャオを育成できる機械である。チャオガーデンのための土地が取れない今。この方法しか対処はできない。次のニュースになった時、時計を見る。すると、もう行かないと遅刻になる時刻だった。
「異常だ!異常っ!!」
登校中、疾風を見つけるなり勇基は疾風に襲いかかりながら大声で言う。
「なんだよ…。何が異常だ?」
「お前よぉ…ちゃんとチャオガーデン行ってるのか?」
「は…?なんで、あんな不気味な奴らのいるとこによ…」
疾風は眠そうに言うが、逆に勇基はスキップしながら
「俺はちゃんと世話してるぜ!カオスドライブとかあげたりよ!あいつらだって生きてるんだしよ!」
「はぁ~…えらいんだな」
「いやっ…それだけ?」
「なんか期待してたん…?」
「お前も育てろよ?」
勇基は疾風の背中を叩き大声で笑いながら走り去っていく。
「あいつ、朝から元気だな…」
「さて、チャオガーデンにでも行ってみるか…」
行くことを忘れかけていたが、ふと思いだし、チャオガーデンの中に入った。
「…?広くなっている?」
そう。チャオガーデンが広くなっているのだ。それも、どこまで続いているのかわからないほど。
「よぉ」
見たことがある少年が疾風に話しかけてきた。
「え?勇基?」
「うむ。どうだ?どうやら例のチャオがいる全てのガーデンがくっついたみたいだな」
「え…?あぁ…」
「それと、今確認したんだが…どうやらこのガーデンには入れるチャオの数が個別の時より2倍に増えたらしい」
勇基がゆっくりと言う。疾風は、すぐには理解できなかったが、どうやら一つ分の広さにチャオが2倍入るようになったようだ。
「勿論、あの繁殖力により、全てうまった」
そのことに気付く前に勇基は言う。さらに付け加えるようにして
「もう、転生しているやつもいる」
「えぇぇぇ!?」
確かに、ピンクの繭に包まれているのもいる。こうしてよく見てみると、黒ばっかで気味が悪い。
「あぁ…大変なことになっているな」
「あ…父さん?」
背後から現れた大人。それは疾風の父で、チャオについて研究している。チャオのクローンを作ろうとしている人物の一人である。
「こいつをもらっていくよ?一応調べてみる」
どうやら、それほど大変な問題になっているらしい。転生したてのチャオの卵、2つを彼は取った。
「…そんな大変な問題に…」
「というか、今更かよ」
疾風の父が去ってから、二人は言う。
「でもさぁ…調べるっても、それに時間がかかるわけだよな」
「うん…。そうだけど?」
「結局、これが解決するのはいつになるのかねぇ…」
「やっぱ、あの人が犯人なのかなぁ」
「そもそも、あいつが売りに出すからこんなことになったんだっ!!」
「絶対許せないな…」
「あぁ…。見かけたら殴りかかってやる…」