Mr.Beloved 2 ending
カチッ、私は全てを書き終えた。
何文字かは数えていないし、
なにか、ストーリーもひねくれているような気がする。
何より、チャオが出ていない。
私はそう思って苦笑いをしたが、
ふと、近くにいたチャオを抱いて、もう一度画面を見た。
そして、その話と、
チャオを見比べて俺は感じた。
平和な世界に、美しさなんて、無い。
私はもしかしたら、この作品をそう言う思いで、
描いていたのかもしれない。
前作より圧倒的に時間のかけ方は少ないし、
クオリティも低いような感じもする。
でも、何かがこの小説にしかない何かが、
私の心を揺すぶった。
私はウォッカを水で割ったものをことりと机に置いた。
酔い始めてきているのが分かる。
この二人も、何かに酔っていたのかもしれない。
それはチャオガーデンでは決して手に入らない。
そんな気持ち悪いくらい強大な麻酔に。
私はPCの電源を切る。
画面をまじまじと見ていたチャオはつまらなさそうに、
また窓の方へと顔を出した。
平和な世界が、その窓の額縁に飾られて、
絵となって俺の目の前に現れていた。
fin