Mr.Beloved 2 ending

カチッ、私は全てを書き終えた。
何文字かは数えていないし、
なにか、ストーリーもひねくれているような気がする。

何より、チャオが出ていない。

私はそう思って苦笑いをしたが、
ふと、近くにいたチャオを抱いて、もう一度画面を見た。
そして、その話と、
チャオを見比べて俺は感じた。

平和な世界に、美しさなんて、無い。

私はもしかしたら、この作品をそう言う思いで、
描いていたのかもしれない。
前作より圧倒的に時間のかけ方は少ないし、
クオリティも低いような感じもする。

でも、何かがこの小説にしかない何かが、
私の心を揺すぶった。
私はウォッカを水で割ったものをことりと机に置いた。
酔い始めてきているのが分かる。

この二人も、何かに酔っていたのかもしれない。
それはチャオガーデンでは決して手に入らない。
そんな気持ち悪いくらい強大な麻酔に。

私はPCの電源を切る。
画面をまじまじと見ていたチャオはつまらなさそうに、
また窓の方へと顔を出した。

平和な世界が、その窓の額縁に飾られて、
絵となって俺の目の前に現れていた。



fin

このページについて
掲載号
週刊チャオ第301号&チャオ生誕9周年記念号
ページ番号
9 / 9
この作品について
タイトル
Mr.Beloved 2
作者
それがし(某,緑茶オ,りょーちゃ)
初回掲載
週刊チャオ第301号&チャオ生誕9周年記念号