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キサラ「何か…今にも崩れそうな感じ……」
キサラは自分がかなり危険な状態にある事を知り、恐怖した。
すると、足場の一角が砕けた。
キサラ「……へっ?」
視界が急に反転した為、キサラには一瞬何が起こったか理解出来なかった。
だが、理解する前に時は過ぎてしまった。
キサラ「きゃああぁぁぁぁ!!」
キサラは崖から真っ逆さまに落ちてしまった。
パタパタッ――
キサラは背中の羽根を一生懸命動かした。
ようやく崖にしがみつくと、安心したように溜息をつく。
キサラ「ふぅっ…」
だが、それもまた一瞬だった。
ずるっ…
崖の表面は、何故か良く滑るようになっていた。何かが生えているのか。
だがそんな思考を働かせる余裕も無く、キサラは今日何度目かの危機にさらされていた。
キサラ「い、やあぁぁぁぁぁ!!」
今度は飛ぶ余裕も無く、崖の下まで落ちてしまった。
気絶していたキサラは、目を覚ました。
キサラ「……ん、ぅう~…いったぁ…」
まともに受身も取れなかったのであろう。体中が痛む。
キサラ「…それにしても…ここ、どこ?」
自分が想像していた崖の下と余りにもかけ離れた光景。
目の前に広がる空間。まるで大きなドームの中にいるようだった。
まさかこんな所に馬鹿でかい空間があると想像出来る者は居ないだろう。
キサラは自分はどこかおかしな世界に迷い込んでしまったのか、そんなことを考えていた。