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ドーラ「さて…食器洗うか」
キサラは朝食後、すぐに家を出て行ってしまった為、机の上には食器が並んだままだった。
食器を台所に運び、洗剤をつけて洗った。
ドーラ(隠すより…本当の事を伝えた方がいいのか…?)
洗いつつ、頭の中ではルシアの死のことがぐるぐると廻っていた。
そんな時、ふとキサラの姿が脳裏をよぎった。
ドーラ「……?何か…嫌な予感がする…」
何も起こらない事を祈る。
世界は、彼等に全く非常だった。
キサラ「はぁー…走って学校行くのも疲れるなぁ……」
家を出た時より速度は落ちているものの、キサラはまだ走るのを止めない。
歩いたら、確実に学校へは遅刻するだろう。
だから、普段は絶対に行かない崖のある危険な道へと行ってしまった。
キサラ「いくら近道でも…これじゃあ逆に時間かかっちゃうよぉ…」
予想以上に崖が大きく、足場が無い為、飛び越すことも、走ることも出来ないのだ。
しかし、今更引き返すにしても、後ろの地面はひび割れて、今にも崩れそうである。
戻れそうに無い。
ここを進むしか道は無かった。
キサラ(やっぱり普通の道を進むべきだったんだわ……)
キサラは少し自責し、しかしここで立ち止まっていては余計時間の無駄だと、再び歩を進めた。