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「この事件 一見してチャオがこの山に残る伝説どおりに消えたように見えます」
チャオチャオがしゃべる。
名探偵ってのは当たり前のことから話し出すなって思う。
「この事件はいくつかの関係の無い話が絡み合い,このような事件になったのです」
チャオチャオはレストラン内を円を描くように歩き出す。
「まず,金の竜の正体です これはライトカオスさんなら解るでしょ」
チャオチャオにびしっと指され,固まってしまうライトカオス。
チャオチャオが言う。
「では代わりに僕から言いましょう ライトカオスのポヨです 光っていたのはポヨなんです」
チャポンも口を挟む。
「ポヨはあんなに大きくないでしょ ポヨなわけないよ」
チャオチャオはあっさりその言葉を流す。
「君はそれでも名探偵かい? 今日の昼頃ロビーのチャオさんが念話していたじゃないか」
そうか・・・あれは念話してたのか
「普通ならあんなに離れていると念話できない だからロビーのチャオさんはこの宿を建てるときある仕掛けを作った」
「では今からこの仕掛けを説明します チャポンは向こう側に行って」
チャポンは言われるがままに入り口のほうに回った。
「あっ」
レストランの真ん中に巨大な目玉が浮いている。
チャオチャオはみんなを席につかせた。
「これで解っただろ つまりロビーとレストランを仕切るガラスはレンズになっているんです」
ガラスに木の実が張りついていると思ったのもこのレンズのせいだったのか
「このレンズを使ってあなたはレストランのチャオさんのポヨを拡大し,念話を行っていたのです」
「ではどうしてポヨがそこにあったか」
「これも簡単な話です ライトカオスさんは急いでトイレに向かった そのときあなたのポヨはレストラン内を漂うことになった そのときたまたまガラスのレンズに合わさったポヨはロビーがわに強い光を放ったのです」
「次はどのようにしてレストランに居たチャオが消えたのか?」
チャオチャオがどんどん話を進める。
「これは床に抜け穴があったなどと考える方もおられますが事実はもっと単純です」
チャオチャオはゆっくり言った。
「つまり,灰色の繭に包まれたのです」
ロビーのチャオが反論した。
「あいつはまだ3歳だったぞ なのになんでそうなるんだ!」
「その謎も解いていいんですか?」
チャオチャオが逆に訊いた。
ロビーのチャオはふっと力を抜いた。
「どうやらあなたにはすべてがお見通しのようだ 話してくれ」