~城宝早苗の憂苦~ AFTER THAT
修学旅行から帰って来た、3月上旬のとある日。
もうそろそろで春休みだという頃。
俺の日常では、球技大会が終わってほっとしていた頃。
臨時家政婦から公式の家政婦へと進化しつつある城宝は、今晩も俺の家で料理中だ。
「今日は、野菜炒めにしてみました。」
まるで母親のような口調で言う城宝に、思わず笑いそうになる俺。
フレアも新聞を読んでいて、いたって普通の人生という雰囲気だ。
ところで、最近俺は、寿原【すはら】俊之【としゆき】と大分話している。
フレアの精神分析もあながち外れちゃいねえかもな、と自覚しつつ…。
俺は第三高3年生になろうとしていた。
第三高は6年制だが…。
しかし、事は春休みが終わった、始業式の頃に起こる。
日常のころから脈動を始めていたそいつら。
最強の〝サイバー〟たち。
俺の人生の中で、一番の苦境を模すこの2年生から3年生。
もうすぐ、終わりなのかもしれなかった―……