エピソード5「現実の厳しさ」
現実を突きつけられた勇はその晩、
光の無い目でサースとズフラを見ていた。
サースは相変わらず、見られていることがうれしくて
ルンルンしている。
が、ズフラは少し様子が変だ。
ズフラはもともとおとなしい方だが、
今日はやけにおとなしい。というか、静かすぎる。
どうしたんだろう、と勇が手を伸ばしたその時・・・
ズフラが突然、繭につつまれはじめた。
だが、その色は・・・・・
「は、灰色・・・そんな・・・・・」
勇が何もできないまま見ていると、
サースとズフラに遭った時に聞こえた声がした。
(アリガトウ・・・ボク、ウレシカッタ・・・・・)
その時、勇は本の言葉を思い出した。
「そんなに・・・なついてなかったのか?」
(チガウ・・・ユウ、チガウヨ・・・)
「じゃあ、何でこんな事になったんだよ!」
(ボクノ・・・シメイ・・・)
「使命!?」
(オワッタ・・・・・・・・)
「使命が終わった!?どういうことだよ!?」
勇が言ったとき、もうズフラの姿はなかった・・・