エピソード4「知ってしまった真実」

勇は、サースとズフラが、チャオがここにいるだけで
満足だった。

シアワセハ、ナガクハツヅカナイトイウ、ゲンジツヲシラズニ。




ある日の午後。

サースとズフラは寄り沿って眠っている。

サースは、ソニチャのなりかけ。
だが、完全な青ではなく、少しにごった色をしている。

ズフラは、頭のてっぺんのピラピラがのびてきている。


勇は、その隣で熱心に『チャオの基本』を読んでいた。


・・・・・チャオは、繁殖で増える事がある。


その項目を見ながら、
いつかはチャオに囲まれて暮らしたい、と思っていた勇。

沢山のチャオの笑顔を想像する。

そして、自分も思わず笑ってしまう。

そんな気持ちで次のページを見た。

{転生・寿命について}

ボーっとしていた勇は、多少驚きもせずに
目を走らせる。

そして、次の行を見た勇の顔は、スーっと血の気がひいていた。


『なつき度の低いチャオは、
 灰色の繭に入って消えてしまう』

「え・・・・・・・?」

勇は眠っているサースとズフラを見た。

そして、自分で思い込む。

(サースとズフラは、いつまでも一緒だ!)

けれども、あの文章は、なかなか放れなかった。


ナツキドノヒクイチャオハ、
ハイイロノマユニハイッテキエテシマウ・・・・・

このページについて
掲載号
週刊チャオ第120号
ページ番号
4 / 6
この作品について
タイトル
マジンジラ
作者
もぐもぐら(木琴)
初回掲載
週刊チャオ第120号