エピソード4「知ってしまった真実」
勇は、サースとズフラが、チャオがここにいるだけで
満足だった。
シアワセハ、ナガクハツヅカナイトイウ、ゲンジツヲシラズニ。
ある日の午後。
サースとズフラは寄り沿って眠っている。
サースは、ソニチャのなりかけ。
だが、完全な青ではなく、少しにごった色をしている。
ズフラは、頭のてっぺんのピラピラがのびてきている。
勇は、その隣で熱心に『チャオの基本』を読んでいた。
・・・・・チャオは、繁殖で増える事がある。
その項目を見ながら、
いつかはチャオに囲まれて暮らしたい、と思っていた勇。
沢山のチャオの笑顔を想像する。
そして、自分も思わず笑ってしまう。
そんな気持ちで次のページを見た。
{転生・寿命について}
ボーっとしていた勇は、多少驚きもせずに
目を走らせる。
そして、次の行を見た勇の顔は、スーっと血の気がひいていた。
『なつき度の低いチャオは、
灰色の繭に入って消えてしまう』
「え・・・・・・・?」
勇は眠っているサースとズフラを見た。
そして、自分で思い込む。
(サースとズフラは、いつまでも一緒だ!)
けれども、あの文章は、なかなか放れなかった。
ナツキドノヒクイチャオハ、
ハイイロノマユニハイッテキエテシマウ・・・・・