第九話「衝撃の事実発覚!?森の中の遺跡」 ページ2

「ヘ~、かなり古い遺跡のようだな…………
今までこんな物がミスティックルーインにあるなんて、知らなかったぜ」
しばらく外壁を眺めていたが、入り口を発見したため、俺たちは中へと進んでいった。
しかし謎だ。
ミスティックルーイン特有の遺跡とは、全く違ったつくりの建物。
この遺跡が何のために作られた物なのか、さっぱりわからない。
…………何よりも不思議なのは、
俺たち3人、誰も過去にこんな遺跡は見たことが無いということだ。
昔エッグマンの基地を探してこの森に入ったときも、隅々まで探し歩いたが、
遺跡といえば古代ナックルズ族のもの位しか見当たらなかった。
まるで前からあったかのように、突然目の前に現れた遺跡。
その遺跡の内部は、驚くほど機械的で、所々でランプのような光が点滅している。
ずっと一本道が続いていたので、最深部へは簡単に到達できた。
「大昔の神殿のようだな。
やはりナックルズ族とは無縁の遺跡のようだ」
最深部は広い部屋がひとつ、その中心には生贄を供えるためのものと思われる小さなテーブルと、
何かの生き物を象った像が、向き合うようにして置かれていた。
「ここで何かの儀式をやっていたのか………
ん、どうしたんだ、テイルス?」
そう言ったソニックの見ているほうを見てみると、テイルスが口をあけたまま壁のほうを見ている。
その視線の先には、壁一面に大きく壁画が描かれていた。
「この絵………チップに似てる……」
俺はそのチップというチャオを見たことは無かったが、
テイルスにそっくりなチャオだという事は聞いていた。
確かにその壁画には、黄色い2本の尻尾を持った小さな生き物が描かれている。
黄色だけではなかった。
赤く、大きな手を持つ生き物。
青く、立派なたてがみを持った生き物。
黒く、目つきの悪い生き物。
それらは円を描くように並び、その円の中心を向いている。
「ここに描かれているのがチップだとしたら………
この絵には、どういう意味があるんだろう…………」
「おい、こっちにまだ続きがあるぜ」
俺の目の前の壁画には、さっきの小さな生き物たちが合体し、巨大な怪物になるところが描かれていた。
「な、何……これ?どういうこと!?まさか………」
テイルスも俺と同じことを考えているらしい。
あえてそれを口には出さなかったが、それはテイルスにとっては相当ショックな事実かもしれなかった。

~続く~

このページについて
掲載号
週刊チャオ第20号
ページ番号
14 / 16
この作品について
タイトル
マイルス君の珍妙な一日
作者
マッハ(服部)
初回掲載
週刊チャオ第3号
最終掲載
週刊チャオ第22号
連載期間
約4ヵ月14日