第四話「動き出した二人」

前回までのあらすじ
回想シーンで、なぜチャオがテイルスの家の前に倒れていたかわかりましたね?

「で、どうすんだ、コイツ?」
治療が終わって二時間、ソニックは今だ目を覚まさないチャオを指差して言いました。
「うん、とりあえずどこかに巣があるだろうから、そこに帰してやろうと思うんだ」
テイルスは、ふと、チャオの傷口を見て、驚いて言いました。
「すごい、もう傷がふさぎ始めてる・・・このチャオ、並の生命力じゃないよ!」
「なんだって!・・・本当だ!
姿といいこの回復力といい、ただのチャオじゃない事だけは確かだな。となるとこの傷は・・・」
「・・・やっぱりそう思う?」
ソニックはうなずきました。
「コイツを何かに利用するために、捕まえようとしたんだろうな。
何に使う気だったのかはわからないけど」
テイルスは、窓から外を見ました。そこには、チャオを見つけた広場が広がっていて、
チャオの倒れていたところには血が流れていました。
「誰がやったのかわからないけど、こんなことするなんて絶対に許せないよ!」
「ああ!許していいことじゃねえ!」
ソニックも、拳を固め、そう思うのでした。
「ところでさ、ここって本格的な医療器具まであるんだな。
お前の専門はメカじゃなかったか?」
「うん。でもメカにトラブルはつきものでしょ?
だからいざとなったら自分で何とかできるようにって、少しだけ勉強するつもりだったんだけど、
やってみたら意外と面白くってさ」
「・・・それで、こんなに用意したってわけか」
テイルスは少し期待した顔で、
「医療の本もある程度そろえたんだよ。見てみる?」
とすすめましたが、
「いや、いい」
と0.25秒で拒否されてしまいました。
「・・・・・・イジワル。」

一方その頃、エッグマンの研究所では・・・
「ばっかむうおおおおおおおおおおん!!!!」
・・・・・・エッグマンの罵声が、所内中に響きわたっているのでした。
そんなエッグマンの前にびくびくしながら立っているのは、任務放棄を宣言したはずの、Σなのでした。
「カオスエメラルドは見つけられず、チャオがカラスにさらわれそうになって助けようとしたところを誤って射殺じゃと!?
なあにをかんがえとんのじゃキサマは!!」
「・・・・・・モウシワケゴザイマセン、エッグマン様・・・」
「よいか!あのチャオはな、究極の存在とまでいわれた、伝説のレインボーチャオのうちの一匹なのじゃ!!
ワシが苦労して古代の文献を調べてやっと手に入れた七匹の内の一匹なんじゃぞ!!」
「・・・・・・モウシワケゴザイマセン、エッグマン様・・・」
それを聞くと、エッグマンはさらに大きな声で怒鳴りました。
「そのセリフは聞き飽きたわ!!謝ることしか能の無いポンコツロボッとめが!!」
しかし同じ言葉を繰り返す事しか出来ないΣなのでした。
「・・・・・・モウシワケゴザイマセン、エッグマン様・・・」
「そのセリフは聞き飽きたとゆーとろうがっ!!まったく!!
・・・・・・これなら前の方がまだマシだったわ(ボソッ)」
「ハ?ナントオッシャイマシタカ、エッグマン様?」
「な、なんでもないわい。」
エッグマンは仕切りなおしました。
「仕方のないやつめ、お前に今一度チャンスをやろう!
カオスエメラルドとチャオを、回収してくるのじゃ!!」
「リョウカイシマシタ、Dr.エッグマン様」
・・・どうやらΣ君は、任務放棄を宣言した事を、すっかり忘れちゃったようです。
さて、どうなってしまうのでしょうか?

続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第6号
ページ番号
6 / 16
この作品について
タイトル
マイルス君の珍妙な一日
作者
マッハ(服部)
初回掲載
週刊チャオ第3号
最終掲載
週刊チャオ第22号
連載期間
約4ヵ月14日