特別編「太陽の、下で」・後編

後編

【ガンツ】「人間の女か・・・一番弱いのをよこしやがったな・・・なめやがって・・・」
確かに、木更津はあの4人の中でも一番小柄で、弱く見えるかも知れません。

【ガンツ】「だが容赦はしねぇっ!カイゼルハンマーっ!」
ハンマーといっても、鎖付きの鉄球。それを闇の魔術で作り、木更津の方へ投げました。
【木更津】「おっと!」
木更津は軽く後ろに下がって避け、かわすと一気に前へ。
しかしガンツも鉄球を鎖で操り、再び木更津を襲わせます。

【木更津】「今度は・・・右!」
木更津はそれを右にかわすと、右足で方向を変え、一気に加速。
【木更津】「アイスサーベル!」
剣を抜くと、鎖の部分を一気に切りました。

【ガンツ】「成るほど、多少はやるという訳か・・・」
今度はガンツが剣を抜き、木更津に襲い掛かりました。木更津も剣で受け止めます。
しかし、パワーではガンツが上。木更津はズルズルと後ろへ下がっていきます。

【山吹】「香織ーっ!」
【水口】「おい、大丈夫かよ!?」
【ヴァレイユ】「あれは・・・何か考えてる目だわ・・・」

【ガンツ】「決まりだ!」
ガンツは木更津の剣を払おうと、力を込めて振りました。
・・・が、はずれ。木更津は、ガンツの剣を滑らせるように受け流すと、
【木更津】「えいっ!」
一撃。決まりました。

【中谷】「なるほど・・・相手を斬るための斬撃はかわせない。でも、相手の剣を払うための斬撃なら、リーチが短いから・・・」

【ガンツ】「てめぇ・・・よくも傷をつけやがったな・・・!」
ガンツは距離をとり、構えました。必殺技です。

【ヴァレイユ】「来るわ!」

【木更津】「アイスキューブ!」
しかし、木更津は何を思ったか、アイスキューブを連発します。氷の塊が、いくつか浮いている状態。

【ガンツ】「そんなんで・・・止められるかよ!デビルキャノンっ!!」
ガンツの必殺技。巨大な闇のエネルギーが、木更津を襲い、飲み込んでいきました。

【山吹】「か、香織っ!!」
【ギステア】「お、おいっ!」
【グレット】「大丈夫なのかよ!?」
驚く3組。

【ヴァレイユ】「・・・いや、香織は無傷よ。」
【全員】「!?」

なんと、木更津は、「飛んでいた」のです。
アイスキューブを、足場にして。
みんなが見上げると、夕日でオレンジに染まった彼女の姿が、舞うように映っていました。

【木更津】「・・・果てよ吹雪!!ブリザードグラッシュ!!」
真上から、必殺技。
ガンツは成す術も無く、倒れました。完全勝利です。


【中谷】「凄ぇな・・・」
【水口】「ああ・・・ますます戦いたくない相手だな・・・」

【山吹】「凄いじゃん!」
【ヴァレイユ】「やったわね、香織。」
【木更津】「こ、怖かった・・・」
木更津の手は、震えていました。彼女は、恐怖とも戦っていたのです。

そこに、山吹が木更津の肩をポンと叩いて、言いました。
【山吹】「これで決まりね。学年最強、木更津香織!」
【木更津】「え?ちょ、ちょっと、あたしはそんなに強くないって!」
【水口】「あんなん見せられたら、なぁ。」
【中谷】「全くだ。エースさん、頼みますよ!」
【木更津】「え、ええーっ!?」
いつの間にか、不良集団はいなくなっていました。


とまぁ、4組が喜んでいるのを、建物の屋上から見ているペアがいました。両方とも、女性。
【人間】「木更津香織とヴァレイユ=セルフィーねぇ・・・見てた?」
【チャオ】「ええ、もちろん。にしても、あの4組・・・」
【人間】「どした?」
【チャオ】「4年前のあたしらに、似てない?」
【人間】「そう言われれば、そうねぇ・・・」
そう言って、ニヤリと笑い、どこかへと消えました。


気がつけば、そろそろ暗い時間。
【木更津】「って、帰らなきゃ!」
と、木更津が歩き出した方向は。
【ヴァレイユ】「香織・・・そっち、逆だよ・・・」
【木更津】「・・・あれ?」
・・・やっぱり逆です。

【ギステア】「・・・こんなんが学年最強・・・強いのは分かってるんだが、なんだかなぁ・・・」
【グレット】「もしや、あの強さはボケの代償か・・・?」
【ライラ】「かもね・・・」
・・・ひょっとしたら、そうかも知れません。無論、本人にその意識は無いでしょうが。


【ヴァレイユ】「香織、だからそっちじゃないってば!」
【木更津】「え?うそ?あれ?・・・分かんなくなっちゃったよ・・・」


                      おしまい。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第200号
ページ番号
40 / 78
この作品について
タイトル
魔術師狂想曲(マジシャン・ラプソディ)
作者
ホップスター
初回掲載
週刊チャオ第182号
最終掲載
週刊チャオ第227号
連載期間
約10ヵ月12日