第１４話「刃と、銃」・後編

第１４話・後編


【村井】「川島さんペアのさっきの戦いも見てたけど、あれなら大丈夫よ。きっと生き残れる。
　　　　　そして、神楽坂くん。直接は見てないけど、あのクレーベルにたった一人で、臆する事なく向かっていった・・・
　　　　　・・・アンタが心配する程弱くはないし、正直、技術界に帰すのは・・・・惜しいね。」
それが、決定的となりました。
【永川】「分かったよ・・・」

そして、神楽坂達の方を振り向き、永川が確認します。
【永川】「本当に・・・いいんだね？」
【川島】「ええ・・・」

カナルも軽傷ですし、神楽坂も左利きという訳ではありませんから、神楽坂ペアも問題ありません。
そこで、永川が説明を始めます。

【永川】「北の大地に、バーミリオンの本拠があるらしい。
　　　　　今から北へ向かって・・・」
ところが、そこで、またも村井が。
【村井】「・・・そういえば、もうすぐ『大会』があるんじゃないの？」
【木更津】「あ、そういえば！」
【カナル】「大会？」

２年に一度の、魔術界最強の魔術師ペアを決める大会。
今度は、木更津が通ってる魔術高校のある街で開かれるのです。

ちなみに前回は、「戦争になりそうなのを止めた」という永川たち四天王と敵との戦いの影響で中止。
今回が４年ぶりの開催で、期待されています。

優勝者には賞金と名誉が与えられ、魔術界にいるほとんどの魔術師が集合するのです。
（但し、出場条件は「パートナーを組んでいる人間とチャオ」に限られます）

【村井】「永川、出ないつもり？」
【永川】「そんな暇はないし・・・」
と、あっさり。
【村井】「あのさぁ、優勝候補筆頭の永川が出ないでどうするの？
　　　　　魔術界全員が期待してるのよ？」
【永川】「それと、魔術界の運命と、どっちが・・・」
ところが、村井は再び永川をさえぎり、
【村井】「・・・永川には言ってなかったけど、どうやらバーミリオンの連中、大会も狙ってるらしいのよね・・・」
と、またも決定的な一言。

【永川】「なっ・・・」
【村井】「どう考えても北の本拠地へ直接乗り込むより、あの街で叩けるだけ叩いた方が確実じゃないの？」
【サヴィエ】「あの街はいわばこちら側の本拠地ですからね・・・」
【永川】「・・・・・」

【サリア】「・・・どうします？」
【永川】「・・・出るしかないか・・・」

・・・出場決定。

【村井】「決定ね。それじゃ、出発は明日でいい？」
【永川】「ああ・・・」
【木更津】「うん！」
【川島】「いいわ！」
【神楽坂】「はい・・・」

そして、それぞれが準備をしつつ、夜を迎えました。


翌日。雨もすっかりやんで、いい天気。
【木更津】「それじゃ、しゅっぱーつ！」
【ヴァレイユ】「なんで香織が先頭なのよ・・・」

その、途中。
【カナル】「でも、左手なら大丈夫だよなぁ？敵が来ても。」
【神楽坂】「ギブスで固めてるから、邪魔だし・・・」
そう言い、魔術で剣を作ると振ってみます。
【村井】「・・・ちょっと、いい？」
すると、村井が。
【神楽坂】「え？」
【村井】「脇が甘いし、完全に素人上がりの振り・・・
　　　　　そんなんじゃ、魔術界じゃ勝てないよ？」
【神楽坂】「え、あ、はい・・・」

【サヴィエ】「始まったわ・・・朋子の教え癖・・・」
【カナル】「そ、そうなんすか？」
【サヴィエ】「ええ、まぁ、実際強くなれるのは確かだから、いいんじゃない？」
【カナル】「なら問題ないだろ。」

そこに、この人も乱入。
【木更津】「村井先輩っ！あたしも見て下さい！」
【村井】「えっ、あ、いいけど・・・」

【ヴァレイユ】「か、香織・・・」

【カナル】「・・・２人同時、ってのは？」
【サヴィエ】「多分、初めて・・・」

こんな調子で、一行は歩いていきました。


～～～～～


こちら、ＳＥＶＥＮＴＨ　ＨＥＡＶＥＮ。
【？？？Ａ】「そうか・・・村井ペアが永川に合流か・・・いよいよ厄介だな・・・」
【ガナーシュ】「そういえや、神野ペアはどこにいるんだ？」
【アインツ】「まだ行方不明だって調査部から報告があっただろ・・・」
何やら、話し込んでいます。
【クレーベル】「ところで・・・例の計画は順調なのかい？」
【？？？Ｂ】「横山が必要なものを作ってるらしいけど・・・間に合うの？」
【？？？Ａ】「大丈夫ではあるらしい・・・上の指示待ちだがな・・・」
【？？？Ｃ】「それじゃ、こっちも予定通り？」
【？？？Ａ】「ああ・・・大会を狙う・・・行くぞ・・・」
そして、ＳＥＶＥＮＴＨ　ＨＥＡＶＥＮのリーダーと思われる男は立ち上がりました。

いよいよ、彼らも動き出します。

　　　　　　　　　　　　　　　　　来週へ続く