第三話

あらすじは二話参照。では、スタート!



ディンは急いで銃などを掛け、家を飛び出した。
案の定重い足踏みとともに罪の無いチャオを捕まえ、連行しようとしていた。

「シメイテハイシャハッケン、タダチニコロス」
次の瞬間には物凄い発砲音が聞こえた。

「一人にこの人数はせこいぞ・・・!」
といいつつ、恐ろしい速さで避けた。

一端銃撃が止まり、何と新たに2つの剣を持ったマシンが現れた。
「ちっ、新型か!」
光る剣を取り出し、そのマシンと闘った。
だが、恐ろしい力。勝てるかどうかすら分からない。

バジュッ!
何とマシンの剣がディンの肩を斬った!
幸いかすったものの、傷口からは血が流れた。
「ぐっ・・・、強すぎる・・・。」
フラフラになりながらもディンは闘おうとしたが、痛みで倒れてしまった。
―・・・The end(終わり)か・・・。
覚悟を決め、ディンは剣を納めた。

マシンが両方の剣を持ち上げる、振り下ろそうとした次の瞬間!
バキュゥン!という銃のような発砲音が聞こえた。

そして、剣を持ったマシンが倒れ、後ろには何とルシアンが居た。
両手には先端が尖った両手で持つ銃を持っていた。
「よし、チャンスだ!」
力を振り絞り全てのマシンに銃で発砲する。
戸惑うマシンは弾が貫通し、倒れたり爆発を起こした。

そのうち一体は捕獲したチャオを運ぼうとして、空を飛んでいた。
「させるかぁぁっ!」
ディンが思いっきりジャンプをし、剣でそのマシンを切り裂いた。
ガタン、という鈍い音で落ち、無事捕獲されたチャオは助かった。

「これで・・・、平気・・・。」
途中でディンは倒れてしまった。
「ディン!?ディン!?」
ルシアンが銃を置き近づく。そしてすぐさま脈があるか確認をした。
―・・・まだ生きている。手当てをすれば平気だ・・。
安心したのもつかの間、急いで街にある病院へと行った・・・。

ディンは薄ら薄ら目を開けた。明るい日差しが目に差し込んだ。
―・・・死んではいない・・・。半分生き地獄と言った感じか。
ゆっくりと身体を起こす。肩が痛いものの何とか立ち上がれた。

「良かった・・・、大丈夫だったんだね。」
ルシアンがほっとした表情で見る。
「ああ、おかげさまで・・・。」
途中で言おうとしたが、恐ろしいほど果物や物が置いてあった。
「街のチャオのお見舞いだってさ。君は英雄と同じ扱いだよ。」
「英雄か・・・、あまりふさわしく話無いような気がするな」
ディンは苦笑した。やっと笑えた・・・、苦笑いだが。
「それより・・・、ルシアン。お前が使っていた銃は?」
「ああ・・・、ツインレーザーのことね。あれは父さんの形見なんだ。」
暗い表情でルシアンが言う。
―そう言えば、家にも父親と母親がいなかったな。
「父さんと母さんは・・・、ブラックナイツで労働をしていると思う。」
自分がいたブラックナイツ・・・、悔しい思いもしたし、怒りがこみ上げるのも感じた。
「そうか・・・、悪い事を聞いたな。すまない。」
「いやいや、いいんだよ!街の皆がいるのだし、百人力だよ!」
明るい笑顔で言うが、その裏には悲しく、暗い顔が見えるような気がした。
「そう言えば・・・、何で銃と剣を?」
「ああ、この銃と剣は知らないけど、気づいたときには持っていたんだ。」
「へぇ・・・、でも、いい銃だね。銃に造った人が刻んである。」
銃を見ると、「20XX+CF10 ディアブラスター」と刻んであった。
初めて気が付いたが、もしかしてと思いディンは剣を取り出した。
剣にも「20XX+CF15 ディアキーノ」と刻まれている。
「20XXは年数だと思うけど・・・、CFは何だろう?」
ルシアンが頭をかしげて言う。
「多分種類だろう。11から14は分からないけど。」

その後、しばらく会話をしたあと、ノックをしている音が聞こえた。
なんとドアの所には医者がいた。
「ああ、ドクターか。どうしたの?」
ルシアンが訪ねる。
「実は・・・、街の王が訪ねているんだが・・・。」
「ええ!?王が!?」
「街にも王がいるのか?」
ディンが訪ねる。それに答えてルシアンが頷く。
「入れても別にいいが・・・、こんな服装じゃまずいだろ。」
「マントだけ取れば良いよ。ボロボロだし・・・。」
ディンはマントを取り、ドアの外へ行った。

冠に長い髭で金のステッキを突いている。まさしく王のような感じだ。
「ディンと言う方、このたびは街を助けてくれて感謝する。」
「いえいえ、とんでもないです。私は普通のことを・・・。」
「その普通が出来ないから、感謝しているのだよ。」
王が微笑む。まるで側近にでも入れたそうな顔だ。
「でだな・・・、それをお礼として、晩餐会をしようとしているのだが・・・どうだ?」
「ええ、勿論参加させていただきます。ですがルシアンは・・・?」
「無論、ルシアンも招待する。安心したまえ。」
ルシアンもディンもほっとした顔を見せた。
「では、夜に城で待っておるぞ・・・。」
そう言うと、王は病院から立ち去った。


4話へ続く!

このページについて
掲載号
週刊チャオ第88号
ページ番号
3 / 4
この作品について
タイトル
-Machine ciao-マシン・チャオ
作者
MASUO(ますお,ます)
初回掲載
週刊チャオ第72号
最終掲載
週刊チャオ第88号
連載期間
約3ヵ月23日