第二話

あらすじ。
支配者の中心となる都市、ブラックナイトで一人のチャオが逃げ出し、追いかけたマシンを全滅させた。
そのチャオはいったい誰なのか。それはこの二話でわかるのかもしれない・・・。



[都市郊外:スモーリング]
唯一機械化が進まれていない郊外の街。マシンの襲来は無いというが・・・?

その日、一人のオヨギタイプのチャオが市場へと出かけていった。
相変わらずざわざわと五月蝿い市場。だが、これが平和というものなのかもしれない・・・。
市場でいつも通りのものを買うと、家へと駆け込もうとしたが・・・。

市場の入り口付近で、一匹のチャオが倒れていた。
ボロマントを着て、腰に銃のようなものが掛けてある。
ノーマルチャオで、まるで死んでいるような顔をしている・・・。

そのオヨギタイプのチャオは、見過ごそうとしたが、見過ごせず家にまで運んでいった・・・。


ノーマルチャオの視界に始めて飛び込んできたのは木の天井。
そしてベッドのようなものに横たわっていた。
「う・・・、ここは一体・・・?」
といって起き上がるが、身体に痛みが走る。
「ああ、駄目駄目!市場で倒れていたんだよ!?」
といって一人のオヨギチャオが駆けて来た。

―・・・こいつが俺を助けてくれたのか。
そう思うと久々に明るい気持ちになれた。
そのまま、また眠りの世界へと落ちていった・・・。


・・・何日が過ぎたのだろう。凄い時間を眠っていたような気がする。
起き上がるが、すっかり痛みも無くなり楽々と起き上がれた。
「ふぅ・・・。やっと起き上がれたんだね。」
隣にいたオヨギチャオが言った。
「誰かは知らないが、助けてくれて感謝する。名前は・・・?」
「ルシアンだ。しかし・・・、ちなみに、君の名前は?」
ルシアンというオヨギチャオが訪ねる。
「実は・・・、名前を知らないんだ。」
「ええ!それってまさか・・・記憶喪失!?」
ルシアンが驚き、危うく座っていた椅子に落ちそうになる。
「たけど、このペンダントに刻んである名前を自分の名前だと信じている。」
そのチャオは、大事に首に掛けてあるペンダントを開けた。
中には一つの光る石のようなものが入ってある。

裏にはよく読めないが「ディン」と書いてある。
「ディンか・・・、とにかくそれが名前なんだね?」
「ああ、多分そうだと思う。記憶をなくしているから分からないが。」
ルシアンがまだ戸惑いを隠せない表情でいる。

―・・・そんなに記憶喪失で悪いのかよ。
ディンは心の中で突っ張ったが、口では流石に言えない。

「で・・、何故4日前は市場の入り口に?」
「4日前!?そんなに寝てたのか・・・、俺は。」
「ああ、ぐっすり寝てたよ。死んだのかと思うぐらい・・・。」
確かに今思うと、死んでいるような感じで寝ていただろう。
まぁ、懸命に走ってきたのだから仕方ないのだが。
「さらにしつこいようだけど、君は何処から来たんだい?」
ルシアンが一息おいてから訪ねた。
「あぁ・・・、それはだな・・・。」
ディンは詳しい経緯を説明し・・・、話し終えた後、ルシアンは仰天していた。
「まさか・・・、ガゼでしょ?」
「いや、本当だ。逃げてきたんだよ。支配者から。」
「一人も逃げた奴はいないのに・・・、君は勇敢だよ。」
「まぁ・・・、武器のおかげで・・・。」

途中で言葉を区切ったのは、大きな爆発があったからだ。
・・・ついにこの平和な街にもマシンが襲来したのだった。


三話へ続く!

このページについて
掲載号
週刊チャオ第88号
ページ番号
2 / 4
この作品について
タイトル
-Machine ciao-マシン・チャオ
作者
MASUO(ますお,ます)
初回掲載
週刊チャオ第72号
最終掲載
週刊チャオ第88号
連載期間
約3ヵ月23日