第四話

あらすじ・・・。
王に晩餐会を招待された二人。一体何が起こるのか・・・。


[スモーリング:王の城]
ボロボロのマントも真新しい物に着替え、ルシアンとともに城へと来た二人は愕然とした。

・・・昔のように石造りではなく、機械化された城であったのだ。
郊外は機械化もあまり進んでいないのに城だけは機械化。
―・・・何かあるぞ、ここの城。
ディンはそう察知した。ルシアンもそうに違いないだろう。

ゲートをくぐり、城の中に入ると、噴水が真ん中にあり、低木が植えてあった。
「やぁやぁ、用こそ。わが城へ。」
王が何時の間にか現れ、ディン達の所に進んだ。
「・・・何だこの城は?まるで異世界のようだ・・・。」
ディンがルシアンに囁く。
「絶対変だね・・・。僕が聞いてみるよ。」
ルシアンは王の前にゆっくりと歩いていった。
「王、何故このような機械化の進んでいる城なのでしょうか?」
「いずれ分かる、フッフッフッ・・・。」
王が不吉な笑みを見せた。

―・・・こいつは偽者だ!本物じゃない!

「ルシアン!そいつから離れろ!」
といい腰に掛けてある銃で王を撃とうとした。
ルシアンが避けた瞬間、王の腹には小さな空洞が出来た。

だが・・・、王は痛みも感じないかのように平然としている。
「いきなり何だね・・・、ディン。」
「お前、偽者だな。正体を現せ!」
「そんな口をいえるのは今の内だろうな・・・、クックックッ。」
というと、偽者の王は消え、なんと上からマシンが現れた。

「くっ・・・、面倒くさい晩餐会だ!」
「僕は何か助けることでもあるか?」
といっている間にもマシンは重い足取りで迫っていた。
「銃を渡す、援護してくれ!」
ルシアンに銃を渡し、ディンは腰から剣を取り出した。

その後は言うまでも無く、生き地獄のような戦いだった。
銃の音が恐ろしく鳴り響き、それを避けるだけでも精一杯の中。
ルシアンとディンは必至に戦った。

だが・・・、数は圧倒的にマシンの方が上。
どちらにしても勝てる確立は0に近かった。

「はぁっ・・・はぁっ・・・」
ディンの口からは多少だが血が流れ、限界を迎えていた。
ルシアンは必至に応戦したが、こちらもボロボロ。限界だった。

―・・・大人しく降参するしかないな。

そう思いディンはルシアンに降参をするか訪ねた。
最初ルシアンも悩んでいたが・・・、マシンの数の多さ、勝てる見込みは無いと思い賛成した。

ディンとルシアンは両手を挙げた。すると、マシンの攻撃は収まり、後ろから偽者の王が現れた。
「言っただろう。『今の内』だと。」

次の瞬間、二人の背筋に電撃のようなものが走り、暗い闇の中へと落ちていった・・・。

[城:地下牢獄]
二人はその中に入れられていた。ディンとルシアンは別の牢獄に入れられていた。
―前にもこんな所に入れられていたような気がする。
ディンはそう思った。だが、記憶喪失により定かではないが。

食事は殆ど塩のようなスープと、乾パンのように硬いパン。
飢えを凌ぐには足りないが、生きるためなら仕方ない。
ルシアンは平気なような顔をしていたが・・・、何を思っているのだろうか。
時が恐ろしく長いように感じた・・・。

・・・牢獄に入れられ数日。
ついに牢獄の鍵が開く音が聞こえると思うと、マシンがルシアンとディンを抱えある場所へと連れて行った。
真っ暗な所から脱出できる・・・。それだけでも二人は嬉しかっただろう。

だが、この後連れて行かれた場所は死刑実行場でもあり、戦場でもある場所だった・・・。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第88号
ページ番号
4 / 4
この作品について
タイトル
-Machine ciao-マシン・チャオ
作者
MASUO(ますお,ます)
初回掲載
週刊チャオ第72号
最終掲載
週刊チャオ第88号
連載期間
約3ヵ月23日