23話 ~悪魔~
チャルン 「………。」
チャルンはその目でルナを鋭く見た。
そして視点を壁に突き刺さっている、壊れた剣に目を向けた。
チャルン 「力はまだ衰えていないようだな、ルナぁ。」
大声でそう叫ぶと剣の方に飛びたった。
そしてその剣を壁から抜き呪文を唱える。
チャルン 「我が剣よ、封印されし、その闇の力、我に見せ解き放て!」
唱え終わるとチャルンの手のひらから電撃が走り、剣は形を変えた。
ルナ 「まさか?封印を解放するのは容易いことじゃ無いのに?」
チャルン 「解放するために俺は全ての物を捧げて来た。今、努力を見せるときだぜ!」
剣のかたちはもう無く、さらには腕と一体化していく。
プラム 「何が起きるんだ?」
ロンチャオ「危ない事。」
チャルンの両腕に電撃が走り、完全に一体化した。
ティカチャル 「あれはチャオの手じゃ無い、邪悪な心に支配された、悪魔の手。」
そう、その手はチャオのように丸い可愛い手等なく、醜いかたちをした、悪魔の手であった。
フェリル 「そういえば聴いた事があるわ。」
フェリルは何かのファイルを取り出し、開いてみせた。
フェリル 「世界には闇の武器、あの剣のような物があって、持ち主の裏の心を最大限に引き出してしまう。」
チャルン 「ほう、詳しいな、嬢ちゃん。」
そしてフェリルはもう一枚ファイルを取り出した。
古本の一ページのような紙だった。
フェリル 「その武器を作ってしまったのは、ムーンとサンって言う学者よ。今は行方不明。」
そしてファイルを閉まってチャルンにいった。
フェリル 「何故あなたがそんな物を持っているの?」
某携帯ゲームの逆●裁●を思いださせる一言である。
チャルン 「どーせ、あんたらは此処で死ぬんだ、教える必要等あるまい。」
チャルンはその両腕を構えてそういった。
あの腕にはどんな力が秘められているのか?
本当に俺たちはこんな奴に勝てるのだろうか?
プラムの心に不安が積もる。
プラム 「倒さなきゃ…殺される。」
ロンチャオ「懸けてみる、か?」
ルナ 「……行きます。」
続く