第2幕

しばらくして、おじいさんチャオとおばあさんチャオはキビ団子と毒まんじゅうを作り終えました。

「クロンや、これでいいのかえ?」

「まだ駄目だチャオ。キビ団子と毒まんじゅうを袋に詰めろチャオ。」

おじいさんチャオとおばあさんチャオは、クロンに言われた通りにキビ団子と毒まんじゅうを袋に詰めました。
クロンは袋を受け取ると、こう言って家を去りました。

「俺様はヒーローガーデンで平和ボケしてるヒーローチャオどもをぶちのめしに行くチャオ。ジジイとババアはせいぜい死なないように待ってるチャオ。ケェーッケケケケ!」

クロンがヒーローガーデンを目指して歩いていると、道端から一人のヒーローチャオが現れて…

ももたろさん、ももたろさん。
おこしにつけた、きびだんご。
ひとつ、わたしにくださいな。

クロンは、腰につけた袋からキビ団子を…いや、毒まんじゅうを取り出してヒーローチャオに与えました。
ヒーローチャオは毒まんじゅうを一口食べると、泡を吹いて倒れてしまいました。

「俺様に物を頼む態度がなってないチャオ!ケェーッケケケケ!」

しばらく歩き続け、クロンは綺麗な小川がある所に辿り着きました。
すると、川の中からガイコツを被ったオニチャオが現れて…

ももたろさん、ももたろさん。
おこしにつけた、きびだんご。
ひとつ、わたしにくださいな。

クロンは、また毒まんじゅうを取り出すと思いきや、今度はキビ団子を取り出しオニチャオに与えました。
オニチャオは、喜んでキビ団子を食べました。

「ありがとう、親切な黒チャオさん。お礼に貴方の旅について行きます。」

「今…『親切な黒チャオさん』って行ったチャオね?」

「え?」

クロンは、一瞬の隙を突いて、オニチャオの口に毒まんじゅうを押し込みました。
オニチャオはしばらくもがき苦しんだあと、ヒーローチャオと同じように泡を吹いて倒れてしまいました。

「『親切な』は余計だチャオ!ケェーッケケケケ!」

クロンは、キビ団子を全部一人で食べ尽くした後、
さらに歩いていきました。
すると、船着場のような所に辿り着きました。

「誰もいないみたいだチャオね。フフフ、この羽のついた船を盗んでヒーローガーデンまで行ってやるチャオ。」

クロンは、そのまま羽のついた船に乗ろうとしましたが…

「おい、そこで何をしている!?」

クロンの運命やいかに!?

このページについて
掲載号
週刊チャオ第129号
ページ番号
2 / 4
この作品について
タイトル
クロンの極悪桃太郎
作者
あらら(ボロット)
初回掲載
週刊チャオ第129号