―科学の子は悪魔の子― ページ2
「ほ~っほっほっほ! それは、ワシのおかげじゃ!」
そうそう、貴方の――って、私が喋っているのに割り込まないでください。
「科学の力をもってすれば、簡単なことじゃよ」
よくわかりません。
「何時の世も、天才とは理解されぬものなのじゃ」
そうですか。
「そうなのじゃ。ほれ、さっさとワシのことを紹介せんか」
だから今しようとしたんでしょー。まったく、ぶつぶつ……。というわけで、突如現れたこのまん丸で卵みたいな体型のオヤジ。
彼こそが、現在世界中を混乱の渦に陥れている、今一番悪い意味で有名人となっている人物、エッグ魔王です。彼もまた派手なマントをつけています。『悪役=マント』みたいな、貧相極まりない発想が作者の脳を支配しているからだと推測できます。
彼が科学の力を駆使して小動物を次々に危険なロボットに改造してしまっているせいで、世界は大パニックです。魔物とは違う、新しい脅威が現れたのです。人もチャオもほとほと困っているのですが、特に小動物たちにとっては、もうにっちもさっちもいかないってなもんでして。
とにかく、強力なロボット軍団がシャドウ帝国に味方しているせいで、ジェラルド王国も迂闊に手を出せないのです。
エッグ魔王さん、どうしてこんなことをするんですか?
「ワシには、目標があるんじゃ」
目標?
「そう、それは……世界征服じゃー!」
世界征服ぅ?
「そうじゃ! ロボット軍団を使ってこのファンタジー世界を征服し、エッグ魔王帝国を築き上げてやるんじゃー!」
はぁ、貴方はどこにいてもやることは変わらないんですね。
「夢を追い続けているのじゃ。ろまんちすとじゃろう?」
現実を見ることも大事ですよ? 貴方もいい歳なんですから、そろそろ落ち着こうとか思わないんですか?
「体力続く限りノンストップ、じゃよ」
わかりました、もう好きにしてください。……ところで、世界征服を目指す貴方が、なぜシャドウ帝王に協力を?
「そこはまぁ、いずれ明らかになるじゃろうて。お楽しみは後にとっておく、ショートケーキのイチゴは最後に食べるものじゃよ」
そうですか。
「そうなのじゃ」
……ってなわけで。
いよいよ、チャクロンが目指す敵の正体が明らかに! シャドウ帝王は、ただマリア姫と一緒に居たいだけのようです。ヒゲのお方は、もう悪役の鑑ですね。
果たしてチャクロンは、彼らに打ち勝つことができるのでしょうか。そのためにも、彼は今一生懸命頑張っている筈です。
では、その様子をのぞいてみましょう……。
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