第四十一話『女神と角戦鬼』

コドウ達が言った後、しばらくの間川は動かなかった。
まるで何かに取り付かれたように。

川が口を開く。

川「駄目だね・・・君たちに用は無いんだ、さっさと帰ってもらえないかな」

川がそういった瞬間コドウは背後から斬りかかる。

コドウ「黙れ、てめぇがいなくなるまで俺はやりつづけるぜ・・・!」

目が獣の様だった。
まさに獲物を狩るときの目、殺気がたっていた。

しかし、川は軽くよける。
そしてコドウの上の方に向かって手を構える

川「凍てつく駄洒落(フリーズボイス)だけが能力だと思わないで欲しい」

コドウは上を見る。
そして驚く

コドウ「!?」

何故ならコドウの上には氷の気が集まっていたからだ。
しかも膨大な量の。

川「氷気集弾!!(ひょうきしゅうだん)」

川がそういうとその氷の気が落ちてくる。
しかしコドウはよけようとしない、刀を構えて落ちてくるのを待っているのだ。

川「・・・言うのを忘れていたね、それは・・・」

氷の気はどんどんコドウに向かって落ちてくる。

川「・・・刀では斬れない」

コドウ「なッ!!」

コドウはすぐよけようとするがもう遅い、氷の気はすぐそこまで迫ってきているのだ。

「同じ量の炎の気をぶつけたらどうだ?」

そう誰かが言うと横から氷の気と同じくらいの量の炎の気が飛んできた。

霧崎「フルパワーショット、爆炎流星弾(ばくえんりゅうせいだん)・・・俺がいることわすれてねぇか?」

霧崎がそういうと氷気集弾と爆炎流星弾はぶつかりあい、相殺する。
コドウは唖然とする。

川「・・・しょうがない・・・」

川はそう呟くと光の前へ移動する。

光「こッ・・・来ないで!能力発動!!」

光は咄嗟に能力を発動する。
しかし川はそれを見てニヤリと笑う。

川「・・・手間が省けたよ。ずっと見てみたかったんだ・・・」

川はそういうと座り込んでる光の顔の前に手をやる。

コドウ「何をする気だッ!!」

光は怯えた目をしている。

川「女神よ・・・出でよ!!」

川がそういうと川の手に謎の気が集まっていく。
すると光は目をゆっくりと瞑っていく。

川「ずっと待っていたんだ・・・女神・・・『セレナ』をこの目で見る時を!!」

川がそういうと光が光りに包まれる。

コドウ「女神・・・『セレナ』?」

川「光臨せよ・・・女神『セレナ』よ!!」

川がそういうと光りが弾ける。
周囲を光りが飲み込む。

・・・しかし、何故か心地がよかった。
これが女神の能力(ちから)なのだろうか?

そんな事が頭をよぎる。
そしてゆっくりと目を開ける。

―違った。

光は既に光ではなく、あの心地いい感覚を生み出したものでもない。

まるで・・・
まるでそれは・・・

『鬼』のような・・・

川「おぉ・・・これが女神か・・・!・・・いや、何だ・・・私が調べた結果よりもどす黒いオーラを・・・」

そのとき、鬼と化した光は川の頭をつかみ、壁にぶつける。
壁にぶつかり、そこが凹んで倒れる。

コドウ「なッ・・・」

霧崎「こりゃやべぇな・・・こいつぁ女神の能力(ちから)をろくに召喚呪文も唱えもしないで召喚しやがったからなったんだ。普通は呪文を唱えて召喚するんだがしないとこうなる、そう、人間、女神、チャオの闇の集合体がこいつ」

「角戦鬼」

コドウ「か・・・かくせんき?なんだそりゃ?」

霧崎「ありゃあ最高純度の角戦鬼だ。いっかい倒して強制的に能力を解除しなきゃいけねぇ・・・どうするよ?コドウ」

コドウ「チッ・・・しゃあねぇ、それしか方法がねぇって言うんなら・・・」

コドウは刀を角戦鬼に向ける。

霧崎「俺が銃で気を引いたあとお前が斬れ、傷は元に戻ったら治るはずだ」

「いくぞ!」

このページについて
掲載号
週刊チャオ第270号
ページ番号
44 / 45
この作品について
タイトル
KODOU
作者
DX(DXチャオ)
初回掲載
週刊チャオ第229号
最終掲載
週刊チャオ第273号
連載期間
約10ヵ月5日