第三十七話『コドウVS乱』 前編
場所は鍛冶屋「刀剣」地下。
そこでは今、戦いが繰り広げられていた・・・!!
乱「ぜはははァ!!刀を抜いたところで防ぐことしかできねぇのかァ!!」
乱は槍でコドウを突き、コドウはそれを刀で防いでいる。
ただ、乱の突くスピードは並ではなく、早い。
しかしそれをコドウは普通に防いでいるのだ。
コドウ「おせぇな、もっとマジでやれ」
コドウはニヤリと笑う。しかし、矢張り乱のスピードに体はこたえてたらしく
コドウの額からは汗が流れる。
乱「ぜはァ!!!」
乱は攻撃を変え、横に槍を振った。
コドウ「なッ!!」
それはみごとにコドウのわき腹にヒットした。
コドウは床に膝をつく
乱「ぜはははァ!!同じ基本槍(きほんそう)どうしなかよくしようぜェ!!いや、お前のは基本刀か・・・?」
乱はそういうと槍を大きく縦に振る。
その時、コドウの心に語りかける様にココロの声が聴こえた
ココロ『来てるよ!コドウ!』
その瞬間、コドウは刀でそれを防ぐ
乱「ぜはァ!?」
そして弾き飛ばし、体勢を立て直す。
コドウ「サンキュー、ココロ!少し刀剣斎との戦いの疲れが来ちまったがもう大丈夫だ!」
乱「ぜはァ・・・?俺のは応えてねぇとでも言うのかァ・・・?!」
コドウがそういうと乱は槍を構え、走ってきて、槍で突きまくる
乱「ぜはははァ!!!」
コドウはそれを避け、刀で乱を斬る
乱「ぜはァ・・・!」
乱は倒れる
コドウ「みねうちだ」
コドウはくるりと回り、乱に背中を見せると・・・
「水華・五分咲き(すいか・ごぶざき)」
乱の声だった。
コドウはすぐに後ろに振り向くと槍の先からにゅるりと伸びたものに身動きを封じられてしまった。
それには花が咲いている
乱「ぜはァ・・・そいつはすべて水で出来ている・・・そいつは今は威力は無いが満開にすると爆発的な力を出す」
コドウ「ぐッ・・・てめぇ、それは基本槍じゃなかったのか・・・!」
乱「ぜははァ!まさかてめぇ、チャオの能力を最大限に使えてなかったのか?キャプチャー能力だけだと思ってたのか?・・・てめぇほんとに能力者か?」
乱は聴く、コドウを締め付けながら
コドウ「チャオの・・・能力・・・?」
コドウはさらに聴く
乱「ぜはァ!!俺の能力(ちから)は気変換:水(きへんかん:みず)、さらに物質吸着(ぶっしつきゅうちゃく)、吸気放出(きゅうきほうしゅつ)という能力(ちから)だぜェ!!」
・・・
場に沈黙という名の悪魔が降り立つ
しかし、それを破り、コドウがこういう
コドウ「・・・なーにムズい事言ってんだ」
結局わかってなかったのかよ。
乱「ぜはァ!俺はこれらを全て使い、水華を完成させたんだぜィ!!つまり・・・」
乱がそういった瞬間、コドウの叫び声が聴こえる
コドウ「ぐぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああ!!!」
コドウを締め付けている水のつるのよなものから生えている水の華が大きくなっている
乱「水華が八部咲きになったようだな・・・満開も近い!!・・・そいつはなァ、人の気を吸ってでかくなる華なんだぜェ!!」
その時、またコドウの心にココロの声が聴こえた
ココロ『コ・・・ウ!コド・・・!コドウ!!とうとう、完璧に同調して話すことが可能になったよ!!』
コドウ「ぐぁあぁあぁあ!!・・・はぁはぁ、そうか・・・じゃあ、これから・・・逃れる方法を・・・!」
コドウは水華から逃れる方法は無いかとココロに聴く
ココロ『・・・一つあるよ、危険だけどね』
コドウ「それでも・・・!いい・・・!」
コドウは水華に苦しめられながらも言う
ココロ『・・・そのまま満開になるまでまつんだ』
コドウはその言葉に驚く
ココロ『コドウの気は普通の人より遥かに多いんだ。それは長い期間、気を放出してなかったからなんだ。だから満開になると気が大量に放出されるんだ、そして気があふれ出して・・・水華のつるが切れる・・・筈だよ』
コドウ「待ってりゃ・・・良い・・・んだな・・・?」
コドウはニヤリと笑う
コドウ「あーあ・・・もう好きにしろよ」
コドウの言葉に乱は驚く
乱「ぜはァ・・・?何かぶつぶつ言ってたと思ったら今度は諦めか?」
乱は頭をポリポリと掻く
コドウは俯いている。・・・しかしそれはまったく悲しさと異なる感情の表しであった。
コドウは俯いているが、『笑っている』
俯いているのは笑っているのを見られない為であった
乱「ぜははァ!!そろそろ来るぜ!!水華・満開が!!」
そういった瞬間、花が完全に開き、水華全体が青白い光を放ち始めた。
乱は目を瞑る。
コドウ「ぐぅ・・・!ぐああああああああああああああああああああああああああああ!!!」