第三十六話『闘』
あれから何時間ぐらい経っただろうか・・・
『俺』の意識は朦朧とし、体は重しを何個も付けているかの如く、重い。
俺はあれからずっと戦っていた。しかし、今の今まで刀が特殊な能力を発する時などない。
しかし、あの爺さんはまだまだ元気だ。まったく・・・どこにそんな力があんだよ・・・
だけど・・・ジジイに負けるのは気に食わない、やってやる。刀が目覚めるまで!!
コドウ「いくぞ!!クソジジイ!!」
コドウはそういうと風の如く刀を振る。
しかし、それはステージを破壊しただけのこと。刀剣斎にはまったくダメージを与えていない。
しかし、何だ、あの爺さん。俺には戦いの事なんざ1mmも考えてない気がする。
何か・・・何か別のことを考えてる様な・・・
刀剣斎「(・・・早くしなければコドウの力が尽きてしまう・・・矢張りあいつには『アレ』を使いこなすのは無理じゃったか・・・?)」
その時、霧崎が入っていった扉から何か小さい弾丸のようなものが何発も飛び出してきた
何発も何発も・・・そして扉は壊れる。大きな崩壊音と共に・・・
霧崎「おう!」
そこからは銃を手に持った霧崎がでてきた。
銃(それ)は普通の銃の様だが、二丁である。
ってか扉壊すな。開けて来い。
刀剣斎「とうとう自分の中で納得のいく腕前になったようじゃな。撃ち込め!!」
霧崎「言われなくても!!」
霧崎はそういうとコドウに銃口を向け、撃つ。
それも普通の弾丸(タマ)ではない。炎の気の弾丸(タマ)だ。
・・・仲間割れですか?
コドウ「てめぇ・・・!!」
コドウの額からは汗が「ツー・・・」と流れている。
決して暑いわけじゃない。焦っているのだ。
コドウは刀で弾丸(それ)を斬る。
すると何か・・・刀が熱くなった気がした。
刀剣斎「コドウ・・・刀は目覚めた・・・これで完璧じゃ・・・!」
コドウ「はァ?何が変わったんだァ?」
コドウは刀剣斎に聴く
すると刀剣斎がこう言う
刀剣斎「あの銃を持った男にもう一回撃ってもらえ、そしてそれを斬る、もしくは刀で受け止めるのじゃ」
刀剣斎はそういうと霧崎に合図する。
すると霧崎は銃を構える。
コドウ「あ!ちょっ!ま!」
コドウは止めようとするが躊躇する暇なく銃を撃とうとする。
が、そのとき、天井が壊れ、人が二人落ちてくる
『能力発動・・・!』
「どうも・・・」
落ちてきて、地面についた途端喋りだす。
乱「俺等は鬼隊特別班自由行動隊・・・芹矛乱(せりむ らん)だァ!!」
絃「同じく、僕は芥絃(ごみ げん)」
そういうと二人とも武器をだす。
乱は槍を。絃は銃を。二人ともかなりの使い手そうだ。
霧崎「おい、コドウ。おれはあのゴミとか言う奴をやる。かたっぽは任せたぞ!!」
絃の額に血管のようなものが浮き出る。
絃「・・・僕をゴミだと・・・?ふざけるなァ!!!」
白目を剥いている。怖い。
乱「おい、そこの奴!よろしくたのむぜ!ぜはははははは!!!」
乱は乱で何故か笑う。
なんだこの二人組みは。頭がおかしい。
霧崎「しかし、ゴミ野郎、ここじゃ俺等の武器は意味を成さねぇ様だ。表出ろ。」
絃「いいだろう・・・!!」
絃は怒っているのがバレバレだ。
二人はジャンプして外へ出る。
コドウ「何だ、あの身体能力は。マンガ?」
コドウがさりげなくツッコむと乱が槍を振り回し、かっこつけ、こういう
乱「ぜはははァ!!俺等も勝負しようや!」
コドウは刀を鞘に戻し、だるそうに頭を掻く
「俺、今疲れてんだよ、また今度にしようや」と言うかの如く頭を掻く。
コドウ「俺、今疲れてんだよ、また今度にしようや」
本当に言いやがった。なんだこいつは。
乱「すまねぇがそれは出来ねぇ。俺はてめぇを殺して上の方にいきてぇんだ・・・じゃあな。心野コドウ・・・!」
乱はそういうと槍で突いてくる
コドウはそれを軽く避ける
コドウ「相手が構えてもいねぇのに攻撃とはいけねぇや・・・」
乱はさらに突く。しかも連続で。
まったく容赦無い。
しかしコドウもコドウで避けまくる。
乱「ぜはははァ!!こうやって攻められてる気持ちはどうだァ!!」
乱は一旦手を止める
コドウはまた頭を掻きながらこういう
コドウ「う~ん・・・強いて言うなら頭か・・・」
コドウの頬に槍がかする
乱「ぜはははァ!少し黙ってろ!」
コドウ「自分で聴いたのに?」
そういうとコドウは銀武刀を抜き、構える。
その時の銀武刀はいっそう輝き、いっそう透き通っていた・・・!