第４回

～再会・はじまりは夢オチから～

　目をさますと、目の前ははまっくら、
　見まわすと、そこは星空、

　足元には……


　青い地球………


「こ、ここどこチャオ？　くうきうすいチャオ」
（ここは宇宙、そして……惑星チャオルのすぐ近く）

「チャ！？　あの星の事、さっきは地球って言ってたチャオ！？」
（あなたはレオンハート、私の声を聞いて、惑星チャオルを救いに来た勇気あるチャオ）
「ずるいチャオ！　ナレーションさんレオンハートの事無視したチャオか？」
（あなたはレオンハート、私の声を聞いて、惑星チャオルを救いに来た勇気あるチャオ）
「チャ！?　変な機械がしゃべってるチャオ!　お前ナレーションさんじゃないチャオ?」
（私はチャオリア、惑星チャオルの王女、助けてください、
　今私達の星は、悪の皇帝チャクロンによって支配されています）
「そんなのゆるせないチャオ!!　レオンハート、助けるチャオ!!」

　姿の見えないチャオリアとの会話……でも、なにか変です。

（そして、あれが悪の皇帝チャクロンです、ちゃっちゃとかたしてください）
　
　ぶぅん
　レオンハートの持っていた機械がうなって止まって、代わりに……

「チャ、ク、ロ、ン……」
　真っ黒なチャオが後ろから飛んできました、
「あ！　あいつチャクロンチャオ、どしてこんなとこいるチャオ?」
「びーむ！！！」
　しゅごう
　
　ほとばしる光条が、レオンハートのすぐ側をかすめていきました、
　あたると痛いでしょう。

「ず、ずるいチャオ、あいつ、目からビーム出したチャオ！」
　何が変、と言う事は追求しないでおきましょう、だってここは………

「む！　よけたか、ならばもう一度!」
　そう言ったチャクロンの目が輝き出します、とってもまぶしそう。
「チャクロン、なんでこんな事するチャオ?　チャオリアかわいそうチャオ?」
「そんな事オレの勝手だ！　だが、お前がオレの邪魔をすると言うのなら!」
　チャクロンは叫びます、まったく見当違いのほうを向いて………

　やっぱり、まぶしくて見えないみたいです。

「じゃあ、なんで目からビーム出るチャオ?」
「オレがチャクロンだからだ!」
　自身満々のチャクロン………でも、根拠は無いみたい。

「教えないチャオ?」
「そうだ！」
「教えるチャオ!」
「うるさい、第一何に使う気だ!」

　ちょっと間、そして

「うふふふふふふ……　レオンハートだけの秘密チャオ」
　答えるレオンハート、そして、

　また閃光、今度は、レオンハートのちょっと上。

「あ、危ないチャオ!　いきなり何するチャオ?」
「す、すまん、たまったから……」
「ちゃ？　たまったらすぐ発射チャオ?　そんな不便なの、レオンハートいらないチャオねぇ」
「う、うるさい、だいいち、お前知らないなんて、幼稚園で居眠りしたな!?」
「ちゃ？　幼稚園でならたチャオ?　だったらレオンハートもうてるチャオか?」

　普通、幼稚園で＜レーザーの出し方＞なんて習いません、
　いい加減レオンハート気付きませんかね?
　気付きませんね、だって、普通途中で気付く事なんて殆どありませんから。

「もう一度いくぞ、チャ・ク・ロ・ン・ビーーーーーーーム!!!!」
　ほとばしる閃光、あたってどうにかなるのか、そろそろ怪しく思えます。
「やってみるチャオ!!　レオンハートブラスター」
　そして、ぶつかり合う閃光、チャクロンとレオンハート、
　それぞれの目から放射される閃光が互いに打ち消しあい、
　後に残った物は、転げまわる２匹のチャオ。

　目をあけたまま、あんなまぶしいそうな物を目から出したりすれば、まぶしいのは当然ですよね。
　変に現実的、というのもよくある話。

「よ、よくもやったな」
「こんなにまぶしいなんて聞いてないチャオ!」
「うるさい！　勝手に真似したのはお前だろう!」
「そっちがビームなんて打つのが悪いチャオ!!」

　騒々しい口ゲンカ、見つかっちゃうかな?

「くそ！　いったな！！　もういちどくらえ！」
「こっちだって今度こそいくチャオ!!」

　今度はぎゅっと目をつむって……

「チャクロンビーム」
「レオンハートブラスター」
　今度はまっすぐ飛びまして、でも、まぶた、熱くないのかな?

　今度も引き分け、
　でも、次に飛んだのは……
「こら！　人やチャオに向けてビームを打っちゃいかんと言っただろう!!」
　園長先生のカミナリ

「「ご、ごめんなさい」」
　２匹は、一緒に同じ言葉を口にして、
「「ふんっ」」
　その事に気付いて顔をそむけて、
「けんかはもっといかん、と言ったはずじゃ」
　園長先生にもっと怒られる事に……
「チャクロンとレオンハートはオヤツ抜きじゃ」
「「ええーー！　お、おやつぬき！」」
「しばらくろうかにたっていなさい！」

　こうしてチャクロンとレオンハートは、なかよ……仲悪く廊下に立たされました。

　でも、これで終りじゃありません、たぶんはじまり、何故なら………